前田利家の魅力の一つに実直で誠実な人柄であったということがあります。
見た目も貧相で、低い身分の出身だった木下藤吉郎(豊臣秀吉)と対等に接して友情を育んだとか、浅野長政や蒲生氏郷のピンチを救ったりとかたくさんあっていっぺんには紹介できません。
この前荒子城跡に行きましたがここでも前田利家の誠実な人柄を表すエピソードが残っています。
利家が織田信長の命令で、長兄である利久から前田家の家督を継いで荒子城主となったときに、柴田勝家、森可成、佐々成政らが祝いに訪れました。
３人は、利家を喜ばせようとして「利久は武将としての器量がなく、利家が家を継いで当然だ」と語ったところ、利家は「兄がけなされて、自分が誉められたところで嬉しいはずがないではないか！」と怒ったそうです。
これを見て一同はとても感心したとか。
後でこれを聞いた織田信長も利家の実直な人柄に感心したそうです。
戦国の世で兄弟であっても裏切ったり殺しあったりが珍しくない時代に長兄の事に心を寄せる利家はとても魅力的に感じました。
