とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

堀尾吉春が主人公の小説、「戦国はるかなれど」を読了。

「戦国はるかなれど」中村彰彦(光文社文庫)を読了しました。


松江城を築城した戦国武将、堀尾吉春の生涯を描く、上巻だけで700ページを超える大作です。


この上巻は、清洲織田家の家臣だったが浮野の戦いや清洲城の攻防戦で敗れて浪人となるも、木下藤吉郎と出会って織田信長の家臣となるところから山崎の戦いまでを描いています。


戦国武将ながら普段は気が優しく、身分の低い者達にまで気配りが出来ることから「仏の茂助」と渾名されるが、戦場では多くの敵将の首級をあげる「鬼の茂助」と化す。


しかも交渉術に長けて敵からも信頼され、鳥取城主の吉川経家備中高松城主の清水宗治切腹の場に立ち会ったりします。


中でも中山鹿之助やその主君である尼子勝久との心の交流が微笑ましく、心暖まりました。
それだけに鹿之助らの悲劇的な最期と茂助の落胆と悲しみには涙が出ました。


この小説にも少しだけど前田利家も登場します。
浮野の戦いで敵側にいる叔父の前田左馬充が見方に討ち取られるのを目撃する場面と、朝倉攻めで佐々成政と共に追撃する場面。


下巻ではどの様な形で登場するのか楽しみです。

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