とっく~ブログ 

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「前田利家の謎~なぜ生涯ナンバー2を貫いたのか」武田鏡村(PHP文庫)

自分は石川県出身ということもあって、戦国武将の中では前田利家が一番好きです。
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前田利家織田信長豊臣秀吉から信頼され、その武勇や戦歴に加えて人柄や人望で徳川家康にも対抗出来る人物として多くの武将たちから尊敬されて一目置かれる程の武将でした。
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それなのに好きな戦国武将ランキングなどでベスト10に入っているのを見たことがないです。
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なんとかベスト20位以内には入っていますが、自分としては5位以内には入ってほしい。


世間的には何故かいまいち人気がない利家ですが、この「前田利家の謎」には彼の魅力がたっぷり詰まっています。
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作者の武田鏡村さんは歴史家、仏教評論家として数多くの書籍を執筆されている方です。


この本も歴史の本なので、自分のように前田利家が好き、歴史好き、戦国武将や戦国時代に興味がある人におすすめです。


でもそれだけではなくて、会社で出世したい人、社内で政治力を持ちたい人などにも参考になってビジネス書としてもおすすめです。
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前書きで著者は「利家は、戦国武将の中では、きわめて平凡で、常識的な人です」「利家は会社勤めをするあなたと、同じような人でした」と言っています。


そんな利家がなぜ、非情な戦国の社会で、次々とふりかかる困難に打ち勝ちながら、豊臣秀吉を支えるナンバー2の地位を手にしたのか。
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その理由を前田利家の生涯を見ながら解説しているのがこの本です。


「どんな状況に陥っても、自分の持つ人間性を信じて、人と社会に調和していけば、必ず将来の道は拓けてくる」
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前田利家は若い頃に苦労したためか、明るく朗らかな人柄と、困った人を見ると放っておけない性格で窮地に陥った武将たちに救いの手をさしのべました。


また、諍いを起こした武将たちの仲裁に入って親身になって問題を解決して感謝されました。
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そういう積み重ねで秀吉にも信頼され気がつけばいつの間にか豊臣政権のナンバー2にまで登り詰めていました。


こういう生き方は現代においても十分通用するし、おおいに参考になるのではないでしょうか。


他人のために誠実に、労を厭わずに向き合えば人から感謝され「情けは人のためならず」ではありませんが、いつか自分にもちゃんと還ってくる。
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前田利家の生き方がそれを証明してくれています。


そんな利家の魅力がたっぷり語られているので、この本を読んで前田利家をもっともっと好きになって欲しいです。
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