とっく~ブログ 

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「利家とまつ(上)」竹山洋(新潮文庫)

2002年にNHKで放送された大河ドラマ利家とまつ」の原作作品です。

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加賀百万石の礎を築いた前田利家とその利家を支えた妻のまつを主人公にした上下二巻のうちの上巻です。


上巻では生まれ故郷の尾張国荒子で傾奇者として周りから疎ましく思われている14歳の犬千代と母に捨てられて心がひもじい4歳のまつが出会うところから越前府中で大名になるまでです。


主な登場人物は6人

1,前田利家
2,利家の妻のまつ
3,木下藤吉郎秀吉
4,秀吉の妻のおね
5,佐々成政
6,成政の妻のはる

もちろん織田信長柴田勝家といった重要人物が登場しますがこの若い6人の男女が友情を感じながらもお互いライバルとして刺激し合いながら出世していく姿が歴史小説でありながら現代っぽくて共感を覚えます。

6人がそれぞれ男同士女同士で友情を深めたり喧嘩したりしながらも人間的に成長していく姿が生き生きと描かれていて全体的に明るい印象で読みやすい印象の作品です。

特に印象的なのは三人の妻たちの友情です。


妻同士助け合ったり夫の浮気に悩みながらも叱咤激励して出世を後押しする姿が意地らしいです。

特にどんどん出世していく秀吉を誇りに思いつつ子供ができずに悩むおねと、なかなか出世できない夫を心配しつつもどんどん子供を生むまつが対照的です。


大河ドラマの原作ですが、ドラマとは登場人物の設定やストーリーの展開が微妙に違うので比べてみるのもいいと思います。


下巻では本能寺の変が起こり、この6人の運命が一変し明暗を分けることになりますが、その辺りがどの様に描かれているのか楽しみです🎵

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