小野不由美さんの作品と言えば壮大なスケールの中華ファンタジー「十二国記」や、ヒタヒタと静かな恐怖が襲ってくる「残穢」、怪異と丁度良い距離感で折り合いをつけて共存しようという「営繕かるかや怪異譚」といったいい意味で予想を裏切ってくる作品が大好きです。
この「ゴーストハント」もまたいい意味で予想を裏切られました。
作品の題名から霊能者の高校生たちが校舎に現れる悪霊たちと激しいバトルを繰り広げるようなストーリーかと思っていたのですが、霊の仕業と思われた現象を科学的に検証していくという緻密なミステリー要素の強い作品でした。
とはいえ、もともとティーンエイジャー向けに書かれた作品ということもあって主人公は女子高生だし、ライトノベルのような軽いノリの部分も多いのでとても読みやすくてそれ程怖い部分もなく面白かったです。
登場人物の霊能者たちも嫌味な巫女やお坊さん、変な関西弁を喋る可愛らしい外国人、謎めいた少女など個性豊かな面々で、続巻でこれからどのようにストーリーが展開されていくのかとても楽しみです。