とっく~ブログ 

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「環境問題の嘘 令和版」池田清彦(MdN新書) 891円

フジテレビで放送している「ほんまでっかTV」に出演している生物学者池田清彦先生が環境問題をぶった斬るちょっと過激な本です。

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人間の経済活動によって二酸化炭素が増加し、地球が温暖化しているというのはまやかしであって、CO2削減によって儲かる人々が作り出した幻想であると主張。

地球が温暖化しているのは地球や太陽の活動による一時的な自然現象であって、長い目で見れば地球は寒冷化に向かっているという。

問題なのはCO2削減が利権の温床となっていて一部の企業や政府の金儲けの手段となっている。

そのためにマスコミによって大きく取り上げられて人々の不安を煽っている、これが地球温暖化問題の実態であると主張しています。

逆に森林や野性動物といった生態系を保護するために生息地を守ろうといった主張は金儲けにならないので一部の熱心な活動家が声を上げるだけで大きく取り上げられることはないと。

自然の一部である人間は健全な自然環境無しでは生きていけないにもかかわらず。

他にもエネルギー問題やゴミ問題、食糧問題などの嘘や提言が書かれています。

特にゴミの分別に関するムダや、一時期大きく取り上げられたダイオキシン環境ホルモンの嘘や利権のからくりは身近な問題だけあってとても興味深かったです。

最後にはこれらの環境問題を解決できる可能性があるテクノロジーや社会システムを紹介して問題解決策を提言しています。

僕が特に興味を持ったのが培養肉と人工光合成の技術です。

培養肉が実用化すれば野性動物や家畜を殺す必要が無くなるし、広大な森林を伐採して造った牧草地を自然に帰す事も出来るようになる。

また、人工光合成で炭水化物が作れるようになれば農地も要らなくなり全て野生に帰すことができるということです。

環境問題のほとんどは右肩上がりの経済成長を前提としたグローバル・キャピタリズムの副産物であるり、有限である地球の収容力が限界に達すればいずれ破綻せざるを得ない。

それを防ぐためにも一極集中やグローバリズムに見切りをつけて出来る限りの自立ができるローカリズムに移行していく以外にないと主張します。

今年はコロナウイルスパンデミックによって社会が大きな影響を受けて日常が変わりつつあります。

AIの発達によりますます混沌とし、時代が大きく動いている今を生きている我々はこれから何処に向かうのか。しっかり注目していきたいと思います。

僕としては地球温暖化が経済活動によるものか、それとも自然現象なのかは別として、新しい技術が開発されて進歩していくのは良いことなのではないかと思いました。

ただ、金儲けの手段として利用するために嘘をでっち上げ、何も知らない民衆の不安を煽っているというのが本当だとすれば大きな問題だと思いました。

読書の習慣が身に付くと沢山の人たちのいろんな主張に触れることが出来て物事を多角的に見ることが出来るようになるというのが良いところだと思います。

地球温暖化についてもすぐにどちらが正しいと結論を出すのではなく、いろんな角度から見ていきたいと思いました。

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