大ヒット中華ファンタジー「十二国記」の作者で「残穢」や「営繕かるかや怪異譚」などのホラー小説も手掛ける小野不由美さんの原点とも言える作品ゴーストハントシリーズ第2作目です。
戦前に建てられた古い洋館で起こるポルターガイスト現象の謎にに霊能者たちが挑みます。
今回も1作目で登場したイケメン少年で渋谷サイキックリサーチ所長の渋谷一也(通称ナル)とアルバイト助手で女子高生の谷山麻衣、巫女の松崎綾子、破戒僧の滝川法生、エクソシストのジョン・ブラウン、霊媒の原真砂子といった面々が集結。
霊能力者たちを嘲笑うかのように起こるポルターガイスト現象の原因は洋館に住む一家の誰かなのか、それとも悪意を持った強力な霊の仕業なのか?その真実が解明された時、彼らに大きな試練と苦悩が立ちはだかる❗
この作品の最大の魅力は、霊能力者たちがいきなり霊に戦いを挑んで倒すというような単純な話ではなくて、ポルターガイスト現象について徹底的に調査し、何が原因なのかを突き止めた上でどういう方法が最適かを考えている所だと思います。
温度センサーや集音マイク、サーモグラフィといった機器を駆使して科学的に現象を検証したり、家族一人一人から話を聞いて情報を収集したり心理学を使って分析したりと簡単に霊の仕業と決めつけずにあらゆる角度から検証しています。
また、この洋館がいつ建てられて、どの様な経緯で今の持ち主に渡ったか、今までに近くで事件や事故で人が死んだりしていないかといったことも徹底的に調査しています。
他にも海外で実際に起こったポルターガイストの事例や心理学者のフロイトとユングの確執の話などにも触れられていて、とても深みのある作品となっています。
その上で女子高生谷山麻衣の語りという形式で物語が進むのでホラーだけど暗く重苦しいものになっていません。
前回1作目は霊現象ではなく地盤沈下といった自然現象によるところが大きい部分もあったけど、今回はガチンコで霊現象の話なので怖くて面白かったです❗
次もぜひ読んでみたいです✨