「星系出雲の兵站」は、はるか昔に地球を離れて宇宙開拓に出て星間国家を樹立するまでになった人類が歴史上初めて地球人類以外の異星人に出会い、戦闘を繰り広げるという作品です。
中でも特徴的なのは戦闘そのものよりも戦闘をするために必要な兵站の確保をどうするかということに物語の主眼が置かれていることです。
星間国家出雲の人間で主人公の一人である火伏礼二兵站監が、兵站を担う星間国家壱岐に派遣され問題解決のために奔走するもよそ者であるがゆえに反感を買い軋轢が生まれたために暗殺されそうになったというのが前回までのお話です。
そして、今回は前回、異星人ガイナスに手痛い敗北を喫した人類が反撃に出ます。
今回のポイントは反撃作戦を成功させるためにガイナスに奪われた準惑星天涯の状況を把握する目的で威力偵察を命じられた降下猟兵部隊が見たものは?そして、無事に任務を終えて帰還できるのか?
一方、コンソーシアム艦隊の兵站の確保を巡って星間国家出雲と壱岐の主権と主導権の争いと駆け引きがますます激化。
この争いは果たしてどの様な形で決着するのかがこの巻の大きなポイントのひとつとなっています。
また、ガイナスとの戦闘において人類は原子熱線砲という強力な武器を繰り出します。
強力ではあるが冷却機構に問題があるこの兵器を最大限に活かす運用方法はあるのか?冷却機構を改善する手段は?問題解決に動くプロフェッショナルたちの活躍も見所となっています🎵
人類同士、異星人、両方で軍事と政治の駆け引きや攻防が見られて重厚で厚みのある、大人が楽しめる作品となっています。
4巻ではいよいよ第1部終了の区切りとなっているようなので、今後のストーリーはどのように展開し、どのような形で決着するのかとても楽しみです❗