2021年本屋大賞ノミネート作品です。
500ページ近い大作で、平日の仕事の合間などに読んでたら読破するのに4日かかりました😅
普段あまり恋愛小説は読まないのですが、本屋大賞ノミネート作品ということもあり、この不思議なタイトルにも惹かれて思わず手に取りました。
恋愛、仕事、親の介護といった問題をいっぺんに抱え込んでしまって悩みもがき苦しむ、ごく普通のアラサー女性が主人公の物語です。
本のタイトルは、そのいろいろな問題を抱えながらあっという間に時間が過ぎていく様を秒速465メートルというものすごい速さで自転しながらその勢いのまま秒速30キロで公転している地球に例えています。
しかも地球はただ円を描いて回っているんじゃなくて、太陽自身も銀河系の中を渦巻き状に回っているのでぴったり同じ軌道には一瞬も戻れない。
人生はすごいスピードで回りながら宇宙の果てに向かっている地球のようなものだと。
アラサー女性の与野都は中卒で年下の寿司職人の彼との将来に不安を持っています。
また、職場の人間関係、上司からのセクハラ、女は早く結婚して子供をつくることが一番の幸せという古い考えを持つ父親との摩擦に悩みます。
おまけに母親が重い更年期障害になってしまい介護が必要に。
さらに、結婚して幸せな家庭を築いている親友と、自立していて高学歴の年上の恋人といい関係を築いている後輩をただ羨ましく思い妬んでもいます。
そんな中、年下でイケメン、おまけにお金持ちのベトナム人ニャン君から猛烈アプローチを受けることに。
都は果たしてどんな決断をするのか。
悩んでいる割にはあまり深く物事を考えず、将来のビジョンも無く、調べようともせずにただ周囲を羨んだり八つ当たりする主人公にイライラしましたが、自分も含めて案外こういう人は多いんじゃないかとも思いました。
光陰矢の如し。過ぎた時間は2度と帰ってこないのだから、将来のビジョンをしっかりと持って、そこに向かって努力していくことが大事だとあらためて感じました。