愛知県津島市にある天王川公園は藤の名所として有名です。
藤棚の完成当時は日本最大の藤棚と称していたほどの規模で、長さ275メートル、面積約5034平方メートルに九尺藤という品種を中心に12種類の藤が植えられています。
今年は残念ながらコロナの影響で去年に引き続き藤まつりは中止となりましたが、日本最大級の藤棚を見るために多くの人が訪れていて、臨時の駐車場や交通規制もあったり公園内には露店なども多くみられました。
それでもいつもの年だったら行われる藤棚のライトアップやステージイベント、野点といった関連イベントはすべて中止とのことで、規模はかなり縮小されているようです。
訪れた日は雲一つない快晴の青空が広がる昼過ぎの時間だったのですが、藤棚のトンネルの中に入ると少し薄暗く感じるほどの高密度で咲いている藤の花はまさに圧巻で、圧倒されるとともにため息が出るほどの美しさです。
ちょうど見ごろを迎えた藤の花の房の間から差し込む木漏れ日が薄紫色の花に反射してキラキラと輝いていて、まるで紫色の宝石で彩られたシャンデリアのようです。
かと言ってけばけばしい派手さを感じるわけではなく、優美さと雅さを兼ね備えた平安貴族のような品格も感じます。
また、周囲にはその濃密な藤の花のシャンデリアから放たれる甘い蜜の香りが、マスク越しにもはっきりとわかるくらい濃厚に漂っていて、その香りに引き寄せられたチョウやハチといった昆虫たちが盛んに飛び交っていました。
正に日本最大級といえるほどの藤棚は今年何か所か見てきた中では最高のものだと思いました。
来年は何とかコロナが終息し、めでたく藤まつりが開催されたときには藤棚のライトアップもこの目で見て、カメラにもばっちり収めたいと思いました。