明智光秀の生涯を描いた、本能寺の変の真実の物語の第2巻です。
この巻では武田信玄が徳川家康を三方ヶ原で破る1572年から、本能寺の変の11ヶ月前の1581年7月あたりまでを描き、途中で光秀の妻煕子の回想という形で明智光秀の謎に包まれた前半生が語られます。
大坂本願寺の一向宗や雑賀衆との血みどろの戦いや、室町幕府最後の将軍足利義昭を京都から追放する槙島城の戦い、安土城の築城から完成といった織田信長の天下統一事業が着々進展し、その間、光秀は妻への約束である天下泰平の世を築くために信長をよく支え、信長のほうも秀吉がひそかに嫉妬するほど光秀への信頼はますます厚くなっていきます。
光秀が赤痢にかかり生死の境をさまよった時には信長は動揺して取り乱し、赤痢に効果のあるものを必死に集めさせて坂本城に届けさせませした。
それほどの信頼関係と絆で結ばれた二人がどうして袂を分かち、本能寺の変につながっていくのか、真実がどう描かれるのか気になるところです。
この2巻では光秀の前半生が描かれていますが、それは昨年の大河ドラマ「麒麟がくる」の前半で描かれたものとはかなり違っていて興味深いです。
明智光秀の前半生については記録もほとんど残っておらず謎に包まれているので諸説あるのでしょうが、ドラマとは真逆のストーリーでした。
また、光秀とその妻煕子の馴初めから死別までが煕子の回想という形で哀惜を込めて語られていてほろりと泣けました。
蜜月の明智光秀と織田信長がこの後どのようにすれ違い本能寺の悲劇につながっていくのか気になるところです。