石田三成を主人公にした戦国コメディー漫画の第2巻です。
石田三成を中心に大谷吉継、加藤清正、福島正則の豊臣秀吉子飼の武将四人が秀吉の天下統一のために各地を駆け回り、行く先々でトラブルに巻き込まれながらも何とか解決してピンチを切り抜けていく姿が面白くて、ちょっとほろりとすることもできる戦国時代が舞台なのにほのぼの楽しめる漫画です。
あらすじ
近江のある村で検地を行っていた三成と吉継は脱税して備蓄された大量の米俵と隠し田を発見し、村人たちに取り囲まれてしまう。三成と吉継はどうやってこのピンチを切り抜けるのか。
他にも九州平定を目指し準備を進める三成、吉継、清正、正則の四人は水軍を視察することに。
そこで彼らは小西行長と出会い意気投合するが、海賊たちに大砲の「国崩し」を盗まれてしまう。
はたして彼らは海賊から「国崩し」を取り戻すことができるのかなど、盛りだくさんの内容です。
感想
まじめで融通の利かない石田三成の性格それ自体がボケになって大谷吉継や福島正則から突っ込みを入れられるというやり取りが毎回面白くてクスッと笑ってしまいます。
また、四人の中では加藤清正もボケ担当で、変態的な城と武器のマニアで、この二つのこととなると周りが引くほど早口でしゃべりだして止まらなくなるというこれまた面白いキャラになっています。
福島正則も無類の酒好きでヤンキーというキャラなのですが、三成や清正に比べるとまともなキャラに感じます。
大谷吉継が一番まともでコミュ力抜群で文治派と武断派の懸け橋になっています。
今回はここに後にキリシタン大名として名を馳せ、朝鮮出兵では朝鮮や明との交渉で活躍する小西行長も加わって、後に東西に分かれて争う秀吉子飼の豊臣大名たちがそろいました。
個性的なキャラたちが繰り広げるコメディー漫画ですが、ギャグばかりではなくて、例えば検地をする意義や目的、その結果どんな日本になるのかといったことが三成の口からわかりやすく説明されていたり、戦国時代の海賊のことや水軍の武器や戦術、軍船の種類、また、南蛮の宣教師たちの内部事情や裏情報といった、普段ドラマや映画では語られない部分にも触れられていて勉強にもなります。
史実では石田三成と福島正則、加藤清正と小西行長は仲が悪く、普段からお互いをけなしあい激しく争うような関係だったということですが、この漫画では今のところ五人はとてもいい関係です。
この若者五人が将来袂を分かち、敵味方に分かれて戦うなんて信じられないし、そんな姿は見たくないと思えるほど気持ちのいい関係なのですが、今後どのように描かれていくのかにも注目していきたいです。