石田三成を主人公にした戦国時代コメディー漫画の第3巻です。
石田三成を中心に大谷吉継、加藤清正、福島正則の豊臣秀吉子飼青年武将四人が主君秀吉の天下統一を果たすために日本各地を駆け回り、行った先々でトラブルを起こしてピンチになりながらも何とか切り抜けていくドタバタコメディーです。
今回は九州平定編。
あらすじ
九州に上陸した豊臣軍は30万という大軍で島津軍を圧倒し、次々に城を制圧し、ついに島津義久は頭を丸めて降伏し、九州は平定される。
あまりにあっけなく九州が平定されてしまい、手柄をとる機会を失った加藤清正と福島正則は三成や大谷吉継と酒を飲みながらくだをまく。
一方、九州各地の港が南蛮人たちの手で軍港化され、奴隷貿易が横行している実態を知った秀吉は危機感を募らせ伴天連追放令を発布し、ショックを受けて酒におぼれる小西行長を三成たちは慰める。
ほかにも三成の家族の話や戦乱で荒廃した博多の街を復興させる話など盛りだくさん。
感想
この巻の前半では三成の妻や娘といった家族が登場しますが初めて見た気がして新鮮でした。
三成が登場する作品は数あれど、妻が登場している作品って他にあったかな?と思いました。
石田三成を主人公にした司馬遼太郎の小説「関ヶ原」をだいぶ前に読みましたし、映画も観ましたが妻が登場した記憶がないので。
今回も四人のおバカでほほえましいやり取りは健在で、頭が筋肉でできている福島正則に対してロジカルモンスターの石田三成が反論してけんかになるというこの漫画でのお決まりのパターンが僕は大好きです。
この巻ではさらに安国寺恵瓊、黒田長政、直江兼続といった後に東西敵味方に分かれて戦う武将たちがどんどん登場してきて、仲の良かった四人が袂を分かつ時がだんだん近づいてきていることを感じ、悲しくなってきます。
せめてこの漫画の中だけでもいつまでも仲のいい四人でいてほしいと思うのですが、今後どのように描かれるのでしょうか。
一方、三成の裏方仕事はさらに多忙を極め、島津義久や豊臣秀長への書状を書いたり、兵糧の手配、兵を率いる武将たちへの定期連絡、兵たちが滞在する寺へのあいさつなど多岐にわたる仕事をこなしています。
また、博多の街の復興のために町割りや法律の制定といった作業にもかかわっている姿が描かれていて、石田三成は本当にすごい人だったんだなと実感します。
ほかの作品ではこういった裏方の部分はあまり描かれないので戦国時代を別の角度から知ることができて勉強にもなります。
巻末では島左近らしき人物が登場してきたので、次はどのような展開になるのか次巻も楽しみです。