山崎の戦で明智光秀を破り、天下を統一した豊臣秀吉によって改ざんされた本能寺の変の真実を描く物語の第7巻です。
あらすじ
あまり知られていない本能寺の変から山崎の戦までの最後の12日間の明智光秀の動向を描いた第7巻です。
本能寺で織田信長を討ち取り、続いて二条御所で応戦した織田信忠を討ち取った明智光秀は各地の大名に書状を書いたり朝廷工作をするなど次々に手を打ち畿内の制圧を推し進める。
一方、いち早く本能寺の変を知った羽柴秀吉は毛利氏との和睦を成立させ中国大返しを開始する。
さらに、危険な伊賀越えを行った徳川家康、織田信長という大きな後ろ盾を失ったイエズス会、光秀と秀吉のどちらに味方するかで迷う各地の大名たちなど人々の思惑が交錯するなかで真実の本能寺の変とはどのようなものだったのか。
感想
明智光秀が起こした本能寺の変、羽柴秀吉が行った奇跡の中国大返し、徳川家康が後に人生最大のピンチだったと語ったという神君伊賀越えの真実がこの漫画の通りなら確かにいろいろな謎のつじつまが合うなと思い納得しつつも、結果ありきの無理やりのこじつけのような気もして興奮したり気持ちが覚めたりと、気持ちの上がり下がりが激しいというのが読み終わった後の個人的感想です。
でも物語としては大変面白く、策略、謀略、裏切り、明智光秀、羽柴秀吉双方が先を見越した先手先手の作戦を実施するなどしびれるような展開で、誰がいいとか悪いとかといった善悪の話ではなく光秀、秀吉、家康やほかの大名たちも自らの野望や生き残りのために頭をフル回転させている姿に興奮しました。
我々が知っている歴史の裏でどんなことがあったのか、次の最終巻でどう描かれるのか楽しみです。