「ヒポクラテスの憂鬱」は2015年に発売された「ヒポクラテスの誓い」の続編で、主人公は違いますが、2011年に発売された「連続殺人鬼カエル男」シリーズの続編的な小説です。
新人の女性解剖医が主人公で、失敗や空回りをしでかしながらも、独特なキャラクターの上司や先輩に助けられながら成長していくストーリーです。
解剖医の話なので、転落死体や焼死体などグロい場面も出てきますが、以前読んだ「連続殺人鬼カエル男」シリーズのような猟奇的なものではありません。
解剖医学の話なので、死体の状況から死因を特定していくことがメインですが、法律上の手続きの話や解剖医学界の世間の認識や人材不足などの問題にもふれられています。
また、女性解剖医と熱血刑事との思春期の中学生のような微笑ましい、恋愛的な要素もあって、二人の恋の行方も気になってサクサク読めました。
真実暴くために解剖が必要だけど、遺体を傷つけたくない家族の思いや予算という現実的な問題に新人の女性解剖医がぶつかって行く姿に心を打たれました。
続編が出ればまた買って読みたいです。