とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

2019-01-01から1年間の記事一覧

「世界の美しい透明な生き物」X-Knwledge

これはもう、生物図鑑や生き物の写真集といったカテゴリーに収まるものではありません。ひとつのアート作品集と言っていいと思います。まさに自然が造り出した芸術作品。 蛾の幼虫、カエル、深海生物といった気持ち悪いイメージが付きまとう生き物たちの中に…

「自然保護学入門~ひとと自然をつなぐ~」筑波大学自然保護寄附講座編(筑波大学出版会)

これは、素晴らしい自然を未来の子供達に残すために必要不可欠な知識がつまった本だと思いました。現代は広大な熱帯雨林、温帯や寒帯の森林が伐採されたり、干潟や珊瑚礁が破壊されたりと貴重な生物の生息地がどんどん縮小しています。人類がこれからも持続…

名古屋みなと蔦屋書店

名古屋市港区にある、ららぽーと名古屋みなとアクルスに隣接する白くてお洒落な書店、名古屋みなと蔦屋書店に行ってきました。建物の中には書店以外にも雑貨、アクセサリーのショップやスターバックス等複数のカフェも入っていてとてもお洒落です。 2階はら…

「環境社会学」舩橋晴俊(弘文堂)読了。

環境社会学という学問があることを今回初めて知りました。公害問題から地球温暖化などのグローバルな地球環境問題について考える学問です。自然保護や生物多様性といった明らかに環境問題だとわかるものもあれば、労災や職業病、農業と食料の問題みたいな一…

「暗幕のゲルニカ」原田マハ(新潮文庫)読了。

あらためて戦争、反戦について考えさせられました。スペインの都市ゲルニカをナチスドイツ軍が空爆したことに憤り、「ゲルニカ」を画いたピカソと、アメリカ同時多発テロで夫を亡くした、主人公でニューヨーク近代美術館のキュレータ八神瑶子。二人の反戦への…

「妻に捧げた1778話」眉村卓(新潮新書)読了。

長年連れ添った妻が癌に犯され、5年生存確率ゼロと告げられた作家である夫が、1日1話ずつのショートショートストーリーを綴った物語です。高校時代に知り合って結婚し、戦後の激動の時代を共に生きてきた妻のために書いたその想いはどんなものだったのか、エ…

「レギオニス信長の天運」仁木英之(中公文庫)読了。

織田信長の第一の家臣とも言える戦国武将、柴田勝家が主人公の作品です。信長の弟である信勝に味方して、織田信長に敵対した過去があるためになかなか信頼されず、不遇の時を過ごしていましたが、再び信頼を勝ち取るために奮闘するシリーズ第2段です。戦国時…

MARUZEN名古屋本店

名古屋市の栄にあるMARUZEN名古屋本店に行きました。 蔵書数120万冊を誇る東海地区最大規模の書店です。地元の人に聞いた話によると、この本屋に置いてない本は他の本屋にも置いてないと言われているほどなんだとか。地下1階から始まって地上7階まで、2階の…

TSUTAYA春日井店

愛知県春日井市にあるTSUTAYA春日井店に行きました 昔の日本家屋の茶屋様式に見られる格子戸のようなデザインがとてもお洒落な外観で、それだけで新しい本との出会いが予感されてとってもワクワクします1階は雑誌や文具雑貨、児童書等のコーナーがあります…

「危険領域―所轄魂―」笹本稜平(徳間文庫)読了。

所轄のノンキャリアでベテランの刑事と高い志を持つキャリアの警察官僚である息子のコンビが捜査方針をめぐってぶつかったりしながらも協力して現職の大臣や総理を含めた政治の中枢の犯罪を暴くという危険領域に迫るストーリーです。 500ページを超える大作…

「教養として学んでおきたい落語」堀井憲一郎(マイナビ新書)

最近YouTubeでよく落語を聴いているので、落語の事をもっと知りたいと思い、本屋で手頃な本はないかと探したところ、この本を見付けたので買いました。著者の堀井憲一郎さんは子供の頃から落語に親しんでいて高校生の時には落語研究会に所属し、フリーライタ…

「しないことリスト」Pha(だいわ文庫)読了。

書店で平積みされていたこの本のタイトルに興味を惹かれて手にとってしまいました。 シンプルなデザインと、200ページ程の手頃な厚さ、力まずに肩の力を抜いて読めそうな気がしました。 書店に行くと自己啓発、ダイエット、成功ノウハウ等の情報が書かれた本…

「日本近代文学入門」堀啓子(中公新書)

本屋に行くと、中公新書の古めかしい(個人的見解)デザインが好きで、いつも棚をウットリと眺めてしまうのですが、その中でも平積みされていたこの本のタイトルに興味を惹かれて買ってみました。 新書の中では280ページと少し厚手で、価格も900円と少し高めな…

「東大教授が考えるあたらしいあたらしい教養」藤垣祐子、柳川範之(幻冬舎新書)

現役の東大教授が考える教養と、これからの時代に求められる人材について語っているの本です。 あたらしい教養というタイトルと黄色くて明るい本のデザインに惹かれて手にとってしまいました。 ページ数は170ページ程と手軽な感じです。 中身も、東大教授だ…

「読書する人だけがたどり着ける場所」齋藤孝(SB新書)読了。

テレビでもお馴染みの有名な、教育学者で作家の齋藤孝氏による新書です。 「読書が人生の深みをつくる」との前提のもと、読書の効能を熱く語っています。 本離れ活字離れが叫ばれて久しいですがスマホが普及したことによって更に拍車がかかり、自分の周辺でも…

「転落」松下麻理緒(角川文庫)読了。

女性ミステリー作家、松下麻理緒の小説です。東京女子大学心理学科同期卒業の福岡県出身と東京都出身の同じ名義の二人による共同執筆とのこと。 32年前に大学の劇団の合宿中に水死した娘、愛理の死に当時の恋人だった相良が関係しているのではと疑う母の理津…

「明智光秀~真の天下太平を願った武将~」嶋津義忠(PHP文庫)

明智光秀の生涯を描いた歴史小説です。 いろんな小説に登場し様々な描かれ方をされている超有名人ですが、この作品の中に描かれている光秀は非の打ち所がない素晴らしい人物です。 妻や領民、家臣を慈しみ、天下太平の世の実現のために足利義昭や織田信長に…

「ヒポクラテスの憂鬱」中山七里(祥伝社文庫)読了。

「ヒポクラテスの憂鬱」は2015年に発売された「ヒポクラテスの誓い」の続編で、主人公は違いますが、2011年に発売された「連続殺人鬼カエル男」シリーズの続編的な小説です。 新人の女性解剖医が主人公で、失敗や空回りをしでかしながらも、独特なキャラクターの上…

「傀儡に非ず」上田秀人(徳間時代小説文庫)読了

織田信長に仕えながらも後に裏切って、一年余り有岡城に籠城し、敵わぬとなると妻子や家臣を捨てて密かに城を脱出して逃げ、全員が結果的に処刑されながらも生き延びて、信長の死後も生き続けた戦国武将荒木村重が主人公です。 荒木村重がなぜ織田信長に反旗…

「無私の日本人」磯田道史(文春文庫)読了。

江戸時代や明治時代には私財を投げうって学校を建てたり、堤防や防風林を作って地域のために尽くした人達がどこにでもいたと聞きますが、この本の主人公たちもそういった人々です。 特に一章の穀田屋十三郎の話は映画化もされましたが泣けました❗ 仙台藩から…

「残穢」小野不由美(新潮文庫)

恐ろしい怨霊やモンスターが登場するわけでもなく、凄惨な殺戮シーンがあるわけでもありませんが、静かにヒタヒタと近付いてくる恐怖が、リアリティーがあって恐ろしいです。 主人公の作家が読者の住むマンションで聞こえてくる、布が畳を擦るような音の正体…

岐阜のマチュ・ピチュ 苗木城跡

岐阜県中津川市にある苗木城跡は絶景山城ランキングで一位に輝くほどの絶景スポットです。 マチュ・ピチュに例えられる石垣遺構も見所の一つですが、なんと言っても天守展望台からの眺めは素晴らしく、一見の価値ありです。 眼下に流れる木曽川とそこに架か…

「禁じられた遊び」清水カルマ(ディスカヴァー文庫)読了

深い愛情が狂気へと変貌していく恐怖を描いたホラー小説です。 謎の伏線もあり、ミステリー的な要素を絡めて進んでいくストーリーは面白く、怖いながらも早く先を読みたいという気持ちになります。 ホラーといえば大抵一人の幽霊に呪われるストーリーですが…

田口ランディ「マアジナル」(角川書店)読了。

1987年10月、能登半島のH市で一人の女子中学生が忽然と消息を絶った。 少女はその3ヶ月前、一学期の終業式の夜に友達6人でUFOを呼ぶ儀式をおこなっていた。 それから17年後、他の5人のメンバーもそれぞれに過酷で不思議な人生を歩んでいた。 ある者は新興宗…

「狗神」坂東真砂子(角川文庫)読了。

「狗神」は1993年に角川書店から発売されて2001年には映画化された作品です。 作品を読んでいるうちに昔映画を観たことを思い出したのですが、原作と映画では(ぼんやりとしか覚えていませんが)かなり異なる部分があるような気がします。 映画では竹野内豊が演…

信長公記-戦国覇者の一級史料(和田裕弘)中公新書を読了。

現在の小説やドラマに登場する織田信長のイメージやエピソードはここからと言えるくらいの超有名な史料について解説した新書です。 年表を順番に見るように若い時期から信長の生涯を4章にわたって信長公記にどの様に書かれているかを解説し、他の史料等と照…

荒子観音寺にあった冊子

前田利家所縁の寺である荒子観音寺に、利家の妻であるおまつの方に関するものがありました。 項目としては4つ、一番後ろのページはおまつの方の生家に関する記述です。 第一項目はおまつの方の生涯。いつ、どこで生まれてから始まって夫の前田利家と加賀百万…

浮野の戦い古戦場に置いてある冊子

浮野の戦い古戦場には石碑や案内板の説明以外に自由に持っていける冊子も置いてあって、とても親切です。 しかもこの冊子、年表の他に5項目に分けて要点を簡潔に解説してあってとても解りやすいです。 第一項が尾張の織田氏について。 越前からやって来た経緯…

ゼロからやりなおし!戦国史見るだけノート

「ゼロからやりなおし!戦国史見るだけノート」監修小和田哲男(宝島社)読了しました。 室町時代から始まる戦国時代への予兆の解説から始まり、大坂夏の陣終結後の江戸時代の制度が整っていくまでを、6章に別けて解説したあとに、最後の7章では戦国史を読み解…

浮野の戦い古戦場

織田信長が尾張統一に王手をかけた浮野の戦いの古戦場に行きました。 永禄元年(1558)に今の愛知県一宮市千秋浮野で織田信長と岩倉城主の織田信賢が戦いました。 この戦いで前田利家は森三左衛門可成と行動を共にして敵の首を一つ挙げたそうです。 可成は利家…