とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

「東大教授が考えるあたらしいあたらしい教養」藤垣祐子、柳川範之(幻冬舎新書)

現役の東大教授が考える教養と、これからの時代に求められる人材について語っているの本です。


あたらしい教養というタイトルと黄色くて明るい本のデザインに惹かれて手にとってしまいました。
ページ数は170ページ程と手軽な感じです。f:id:kurakkaa:20190911150807j:plain
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中身も、東大教授だからと身構えるような小難しいものではなく読みやすくて解りやすい内容でした。


日本では教養=知識量といったイメージだが、本当の教養とは「軸」となる自分の専門分野をもった上でそれだけに固執せず、他の分野にも目を向けるバランス力と、意見の異なる他者との議論を通して思考を柔軟にして自分のより良いと考える答えにたどり着けるコミュニケーション力であると語られています。


そして、そうした人材を育成するための東京大学の取り組みや福島の原発事故で露になった無教養についての事例が語られています。


最後の章ではそうした教養を身に付けるために有効な習慣を挙げて推奨しています。


自分としては、教養とは知識を詰め込む事ではないと言いながらも、軸となる専門分野を持つとか、異分野にもバランスよく目を向けるとかは、結局は幅広い知識を身に付ける事が重要ということではないかと突っ込みを入れたくなりました。


しかし、幅広い知識を身に付けてそれらを有機的に結びつけ、新しいものを生み出す能力がこれからの時代には益々重要になってくるという意見にはすごく共感できました。


これからの時代を担う中学生や高校生に人生の指針として読んでもらいたいと思いました。f:id:kurakkaa:20190911153905j:plain