とっく~ブログ 

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「転落」松下麻理緒(角川文庫)読了。

女性ミステリー作家、松下麻理緒の小説です。東京女子大学心理学科同期卒業の福岡県出身と東京都出身の同じ名義の二人による共同執筆とのこと。


32年前に大学の劇団の合宿中に水死した娘、愛理の死に当時の恋人だった相良が関係しているのではと疑う母の理津子は愛理の33回忌に相良を含めた劇団の仲間を招待する事を決めて娘の死の真実を暴こうとする。


一方、相良の娘、美樹は13年前のある事件の事で両親に不信感を持つようになり、高校を中退して不良仲間達とつるんだり荒れた生活をおくっていたが、事件で生き別れた大切な犬のパピの首輪が見つかった事をきっかけに事件の真相に迫ろうとする。


理津子と美樹が出会い、32年前と13年前の事件が交差した時に愛理の死の真相が露になる。


愛理は本当に事故死だったのかだけでなく、13年前に何があったのか、犬の首輪が何故柳の木の下に埋められていたのか、理津子と美樹の過去の因縁、理津子の夫の不可解な死など謎が謎を呼んで数々の伏線が張られていて先が気になり一気読みでした❗


娘の死によってすっかり性格が歪んでしまった理津子と両親との関係が最悪になってしまった美樹が次第に立ち直っていく姿に救われました。f:id:kurakkaa:20190907154750j:plain