何か月も積ん読していてほったらかしにしていたのですが、いつも食品の買い出しに行くショッピングモールに入っている書店に平積みされていて、表紙の水干姿の可憐な美少女のイラストに惹かれて思わずジャケット買いしてしまった本です。
また、帯に書かれていた「ここまで恐ろしいヒロインは他に存在しない」という文言も気になりました。
この可憐な美少女が恐ろしいのか?どんなふうに?
その真相は最後まで読むとわかるのですが、最後は戦慄しました。
あらすじ
千年以上昔、たびたび洪水を起こす龍を退治した不思議な力を持つ伝説の娘「スガル様」の子孫が治めてきた村で次期スガル様に指名されていた少女が猟奇的な方法で殺害される事件が発生。
たまたま村に滞在していた、左眼の翡翠で真実をすべて見透かすという美少女探偵の御陵みかげが事件の解明に挑むが彼女をあざ笑うかのように次々にスガル様候補の少女たちが殺されていく。
隻眼の少女御陵みかげはその翡翠の眼で真実にたどり着くことができるのか?
感想
伝説が息づき古い風習が残る山奥の山村で次々に起こる猟奇的な殺人事件という設定は横溝正史や京極夏彦のミステリー作品を思い起こさせますが、事件に挑む主人公がまだ17歳の美少女探偵ということで、横溝正史や京極夏彦の作品のような重苦しさやおどろおどろしさは感じませんでした。
それでも主人公の御陵みかげの深い洞察力と観察眼、論理的思考で徐々に事件の真実に迫っていくストーリーは早く先が読みたくなってサクサクとページをめくってしまいました。
そして最終盤に真実を知った時の衝撃や戦慄はかなりのものでした。
ミステリー小説は今までもたくさん読んできたのでいろんなパターンを見てきているので犯人は誰かとあれこれ予想はしていたのですが、この作品の結末は今までにないパターンでした。
ある意味ずるいというか禁じ手というか、なかなかのインパクトでした。