内容
石器時代のラスコーの洞窟壁画からギリシャ美術といった古代の美術からポップアートやアクションペインティングといった現代アートまで、ヨーロッパで生まれた西洋美術の歴史をカラーで分かりやすく解説した本です。
感想
中世のキリスト教を中心としたローマ教皇などの宗教的権威が支配する時代から絶対君主といった強力な国王、ルネサンス時代のベネチアやフィレンツェの大商人たち、市民革命後の一般市民と、時代が進むにつれて権力者が変遷していく中で絵画のテーマや需要が変わっていったというのは興味深くて面白かったです。
また、2度の世界大戦を経て荒廃したヨーロッパからアメリカのニューヨークに芸術の中心が移って現代にいたる時代の変遷はまさに世界史そのものです。
芸術家といえばわがままで我が道を行き、自分の好きなテーマや手法を貫ければ食べられなくてもいいといったイメージがあったのですが、やはり芸術家も食べていかなくてはならないし、命も惜しいので、時の権力者に近づいて彼らが欲する絵画を描いていたのだというのは実に興味深いです。
絵画や彫刻や建築物といったアート作品からその時代の権力者が誰なのかや政治、思想の潮流といった歴史も学べて面白かったし、物事が多角的に見れるようになった気がしました。