とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

「嵐を呼ぶ男!NOBUNAGA」杉山大二郎(徳間書店)

これはワンピースの戦国時代版だ。


「戦国王にオレはなる❗」なんて台詞は出てこないけれど、読み進めていくうちにどんどんそんな気がしてきました。


または昔読んだビーバップハイスクールか、ろくでなしブルースのような不良少年が主人公のマンガ。


とにかく若き日の信長が熱いです❗


貧しい民が腹一杯握り飯を食える世の中をつくるため、この糞ったれの世の中をブッ壊す❗


家臣や兄弟達からうつけ者と謗られようがおかまいなし。
同じ理想を共有する仲間たちと共にまずは尾張の国をまとめるために悪戦苦闘しながら邁進する物語です。
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著者の杉山大二郎さんは長年営業畑におられたビジネスマンで「至高の営業」や「ザ・マネジメント」といったビジネス系の小説も描かれています。


この作品でもそういった要素がふんだんに含まれていて、敵対する相手に対してまるで営業マンのように交渉したり説得したりする場面が多く出てきます。


また、信長が天下静謐の理想を熱く語る場面では、その行程まで具体的に示したりしていて、マネジメントそのものでした。


その一方、やはり戦国時代の物語なので、戦での斬りあいや悲惨な描写も出てきます。


しかしそこでは、お互いタイマンはったらダチになる不良少年たちのように最後は心を通じあわせて仲間になるといった読んでるこちらまで熱くさせる場面も多く登場します。


この作品では桶狭間の戦い本能寺の変といった誰でも知っているような信長のエピソードは一切出てきません。


信長が織田家家督を継承した20才前後から弟の信勝を討った25歳ごろまでの若き日の信長を描いています。


この物語に描かれている若き日の信長は高い志しを持ち、庶民や仲間を助けるために命懸けで戦い、仲間の死には人目もはばからずに涙を流すような熱い男でした❗


読後には清々しい爽快感を感じることができました。


続編が出たら是非読んでみたいです。