とっく~ブログ 

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大人気中華ファンタジー小説シリーズの「後宮の烏」が完結

後宮の烏7 (集英社オレンジ文庫)

僕が大好きだった大人気の中華ファンタジー小説後宮の烏」が7巻をもって完結してしまいました。

 

後宮の烏」は2018年から続く、累計発行部数100万部を突破した、集英社オレンジ文庫から発行されている人気のシリーズです。

 

中国王朝を思わせる国の宮殿の奥深くで繰り広げられる荘厳な物語で、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃の寿雪が主人公です。

 

不思議な術を使い、呪殺から失せ物探しまで、何でも引き受けてくれるという烏妃のもとに、ある依頼をするために時の皇帝である高峻が訪れたことによって封印されていた過去の歴史の闇の扉を開いてしまうというものです。

 

「烏妃は一人でいなければならない」という先代の言いつけを守って後宮の奥深くで世話役の老婆と二人だけで生活していた寿雪に、物語が進むにつれて、彼女にとって大切な仲間が次第に増えていきます。

 

先代の言いつけを破ってしまった罪悪感と、大切な仲間たちを守りたいという思いの間で葛藤する寿雪がいとおしくなり、最初は本のカバーイラストの美しさに惹かれて衝動買いしただけだったのですが作品自体にどんどんはまっていきました。

 

また、王朝の中で繰り広げられる凄惨な政争とそれに伴い次々に現れる幽鬼や呪いといったおどろおどろしい話が多い中、宮殿の庭園の木々やそこに訪れる野鳥たち、移ろいゆく季節といった自然の情景描写が美しく、そこにも魅力を感じていました。

 

自分の中で勝手に10巻まで続くのだろうと思っていたので、7巻を書店で手にとって帯に「ここに完結!」と書かれているのを見つけた時にはとてもショックでした。

 

しばらくは寿雪ロスに陥りそうですが、また新しい小説との出会いを楽しみにしたいと思います。