「八咫烏」の一族が住み、金烏と呼ばれる帝が世を治める「山内」という世界で繰り広げられる後継者争いを描いた、平安時代を彷彿とさせる和風ファンタジー八咫烏シリーズの2作目です。
地方豪族の次男坊にすぎず、その無能ぶりからぼんくらとあだ名される雪哉がどういうわけか王朝の次期後継者である若宮殿下の側につかえることに。
しかしお仕えする若宮殿下は人使いが荒く、しかもとんでもないうつけ者だった。
シリーズ1作目の「烏に単は似合わない」は若宮殿下の后候補に選ばれた4人の高貴な姫君たちの争いを描いた物語でしたがこの中で若宮殿下がなかなか姫君たちのいる桜花宮に現れないという謎があり、2作目はその答えが描かれる形になっています。
つまり1作目と2作目は同じ時間軸で進行しながら別々の視点で描かれたストーリーとなっています。
1作目は后候補をめぐる女同士のプライドと陰湿な駆け引き、そしてそれぞれの姫の出身の家同士の争いでしたが、2作目は王朝のトップをめぐる血みどろの権力闘争となっています。
母が正室で優秀な長男である兄をさしおいて側室の子にもかかわらず日嗣の御子となった若宮は、長い間外界へ出ていて強力な後ろ楯もおらず、しかも周囲からはうつけ者と言われていて、次の金烏になることに不満を持つ者も多い。
その為たびたび命を狙われる若宮ははたして金烏に即位できるのか?若宮の命を狙う実行犯は誰なのか、その黒幕の正体は?
また、そんな若宮につかえることになった雪哉の運命は?など見所がいっぱいです✨
たびたび命を狙われる若宮や雪哉にハラハラし、後継者を争っている兄やその側近たちとの駆け引きや腹の探り合いに胃がキリキリしたりするほど物語の世界に引き込まれました。
また、真相が2転3転し、先が気になり早く読みたくて気もそぞろとなって仕事が手につかない程でした💧
巻末の解説によると、どうやらここまでは序章に過ぎず物語の本番は次の3作目以降だということです。
これから先、物語はどのように展開していくのか本当に楽しみです。この後の巻も是非読んでいきたいです❗