とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

2021年上半期で特に印象に残った小説5作品

2021年も7月に入り、早くも半分が過ぎてしまいました。

 

今年は去年に引き続きコロナ禍によって、繰り返し緊急事態宣言が出される大変な年になったということで、旅行など遠出することもなく、休日はもっぱら自宅やスタバで読書して過ごすということが多かったです。

 

梅雨明けして連日30度を超える猛暑が続いている今は仕事以外ではますます外に出ることもなく、秋が訪れて涼しくなるまでは自宅で本を読んで過ごす時間が多くなることでしょう。

 

自分の読書記録を振り返ってみると今年6月までの上半期に読了した本は合計で52冊でした。

 

内訳は小説が26冊、新書やビジネス書、雑誌などが13冊、漫画が13冊でした。

 

今年は春から初夏にかけての気候がいい時期に緊急事態宣言が解除になったこともあって休日に桜をはじめ、愛知県内の花の名所をあちこち廻ったりしていて、ほとんど本を読まなかった月もあったのですが、こうやってみると一か月平均で9冊くらいは読んでいるので遅読の自分にしてはまあまあ読んだほうかなと思いました。

 

今年は本屋大賞ノミネート作品をコンプリートするという密かな野望もあったので、26冊中9冊は本屋大賞ノミネート作品です。

 

最後の一冊として読んだ「八月の銀の雪」だけは7月に入ってから読んだのでこの中には入っていません。この作品もとても印象に残る作品だったので、6月までに読んでいればベスト5に入ったので残念です。

 

本屋大賞ノミネート作品以外で特徴的だったのは、半分近い8冊が歴史・時代小説だったことです。

 

もともと歴史ものが大好きで毎年、実在した歴史上の人物を主人公にした歴史小説を多く読んでいたのですが、昨年映画館で観た「みをつくし料理帖」をきっかけに原作の「みをつくし料理帖」シリーズや、その他の江戸時代を舞台にした時代小説も読むようになりました。

 

僕は歴史小説以外にもミステリー、恋愛・青春、ファンタジー、SFなどいろんなジャンルの作品を読んでみたいと思っているのですが、今回は少し偏りがありました。

 

これから紹介する5作品はどれも強く印象に残っているし、ジャンルも違うので、どれが一番ということではないので、読んだ順番に紹介していきたいと思います。

 

1,「52ヘルツのクジラたち」 町田そのこ (中央公論新社

 

 

今年の本屋大賞受賞作品です。ノミネート作品が発表になって真っ先に買って一番最初に読んだ作品だったのですが、その他のノミネート作品を読んだ後も自分の中では一番印象が強い作品でした。

 

ほかのクジラには伝わらない52Hzという周波数でしかコミュニケーションがとれないという世界一孤独なクジラをモチーフにして、誰にも理解してもらえない孤独な人々を描いた作品です。

 

2,「ファーストラヴ」 島本理生 (文藝春秋

 

 

今年映画化されたので再読しました。2018年に読んだ記録が残っているのですが、どんな内容だったのか全然思い出せませんでした。実際に映画を観に行って、犯人役の芳根京子の演技が圧巻のとてもいい映画だったのですが、それでも思い出せませんでした。

 

10年以上前に読んだ「ナラタージュ」は今でもとても印象に残っているだけに、とても不思議でしたが、恋愛小説というよりはミステリーに近い内容ですが、改めて読んでみるとすごくいい作品で、3年前に読んだ時にはなぜ全く刺さらなかったのか不思議でしょうがないです。

 

3,「心淋し川」 西條奈加 (集英社

 

 

第164回直木賞受賞作です。江戸の町の片隅を流れる川沿いで、寄り添いながら暮らす、人生で挫折を味わった人々を描く連作短編集です。

 

二度と立ち上がれないほどの挫折や過ちを犯した人々が極貧の生活を味わいながらも生きていく姿が物悲しくもあり、それでいて希望の持てる内容で印象に残りました。

 

4,「神様の御用人10」 浅葉なつ (メディアワークス文庫

 

 

シリーズ開始から大好きで、ずっと読んできた作品の完結編です。

 

フリーターをしている主人公がひょんなことから神様の頼みごとを聞く御用人となり、神々が抱える問題を解決していくという笑いあり涙ありのファンタジー小説です。

 

全体的にはコメディータッチの安心して読める作品なのですが、9巻、10巻は一転してシリアスな内容になっていて、読んでいるのが苦しいほどだったのですが、最後はハッピーエンドでよかったです。

 

これで終わってしまうのかと思うとロスになってしまいました。

 

5,「心星ひとつ みをつくし料理帖」 高田郁 (ハルキ文庫)

 

 

シリーズ6作目の巻で、主人公の女料理人の澪(みお)にとって大きな転機となる内容で、とても印象に残りました。

 

大阪から江戸に出てきた澪が、関西と関東の味の違いに戸惑い悩みながらも、周囲の人々の厳しくも暖かい助けを借りながら、料理人としても人としても成長していく姿に毎回目をウルウルさせながら読んでいます。

 

他にもいいなと思った作品はいくつもあって、本当に迷ったのですが、この5作品を紹介しました。7月に入ってか読んだ作品の中にも好きだと思える作品に出会いました。

 

2021年後半にはどのような作品に出会うことができるのか今から楽しみです。