毎年夏になると書店の店頭にドーンと登場するコーナーがあります。
それが3大文庫本フェアです。
集英社文庫のナツイチ、角川文庫のカドフェス、新潮文庫の100冊。
大抵は書店に入ってすぐの目につくところにコーナーが設けられているので、これらのキャンペーンの棚が見えると、酒好きが赤ちょうちんが見えると、つい、ふらふらと暖簾をくぐってしまうがごとく、足が勝手にそちらに向いてしまいます。
本屋さんには膨大な数の文庫が棚に並べられ、あるいは平積みされているので、なかなかその中から選ぶのは大変なのですが、各出版社が厳選した文庫本がこうやって並べられていると選びやすいし、眺めているだけでもとてもわくわくします。
おまけにまとめて数冊購入すれば、それぞれの出版社オリジナルキャラクターの栞やプレゼントがもらえたりするので、それを目当てにしているわけではありませんが、結構楽しみにしています。
また、文庫本と一緒に置かれている、自由に持って行ってもいい小冊子も各社工夫が凝らされていて、それを見るだけでも楽しいので、ついつい手に取ってページをパラパラとめくって見入ってしまいます。
どの出版社の小冊子も泣ける本とか、感動する本とか、考える本といった具合にジャンル分けされて紹介されていて、それらを見ながら、この本はもう読んだことがあるけど、なかなか良かったなぁとか、まだ読んでないけど、この作品は気になるなぁとか、本好きなんだから名作のジャンルに選ばれているこの作品は読んでおきたいな、といった具合に結構じっくり見ています。
また、各社のオリジナルキャラクターであるナツイチの「よまにゃ」、カドフェスの「ハッケンクン」、新潮文庫の「キュンタ」が小冊子の冒頭で本の世界に誘うように語りかけてくる言葉もいちいち心に染みてきて、とてもいいです。
すべての本を読めれば一番いいのですが、予算も時間も足りず、そういうわけにもいかないので、各社の小冊子をじっくりと眺めながら、今年はどんな本を読もうかとゆっくり考えたいと思います。