関ケ原の合戦があった日である慶長5年9月15日を西暦になおすと、西暦1600年10月21日だということで、ちょうど一年前のこの日にオープンしたばかりの岐阜関ケ原古戦場記念館に初めて行ってきました。
JR関ヶ原駅から歩いて10分、車なら関ヶ原ICから5分です。
開館時間は9時30分から17時で、毎週月曜日が休館日となっています。
入館は事前予約制となっていて、ホームページから予約することができます。
入場料は一般500円、大学生・高校生は300円、中学生以下は無料です。
ただし、企画展などがあった際は特別料金となっていて、実際、僕が訪れたときは企画展「竹中半兵衛と重門」が開催されていて、入館料は800円でした。
ただし、立派なパンフレットももらえてうれしかったです。
記念館はまだオープンしてから1年しかたっていないということもあって外観もきれいで、関ヶ原で戦った武将たちの家紋が染められた幟がズラッと並んで風にはためいている景色は壮観です。
建物の中に入るとスタッフの方が出迎えてくれ、予約のあるなしの確認や館内の説明などを親切丁寧にしてくれました。
エントランス
入口正面左手には大河ドラマ「真田丸」の題字を書いた左官の方が制作した作品が飾られていました。
この作品は徳川家康が最後に陣を置いた場所の土と、石田三成が陣を置いた笹尾山の土を使った土壁だそうで、400年以上前に両軍の兵士たちの血や怨念を吸っているかもしれない土を使って作ってあるというのが何ともロマンを感じます。
また、エントランスには企画展の特別展示なのか、豊臣秀吉、竹中半兵衛、黒田官兵衛の甲冑が展示されていました。
また、その横には小早川秀秋の甲冑もありました。
ネットで予約した時間に集合して入り口から導入回廊の中に入るとそこはもう、最新の技術を駆使したエンターテインメント空間となっていて、博物館ではなく、まるでテーマパークのアトラクションを体験しているかのようでした。
導入回廊
最初に入る導入回廊ではプロジェクションマッピングを駆使した演出がしてあって、戦国時代の始まりから関ヶ原の戦いに至るまでの物語を見ることができます。
戦国時代に起こった出来事と年表が現れたり、足軽が槍を持って行進していく場面や武将たちがシルエットで現れて、時代が移っていく様子を見ることができます。
グランドビジョンの準備ができるまで同じ時間に予約した人たちは椅子に座ってその映像を眺めているのですが、まるで、小説や映画のプロローグを見ているようで、その先のグラウンド・ビジョンではいよいよ関ケ原の戦いが始まるんだという気持ちを高めてくれるいい演出でよかったです。
グラウンド・ビジョン
グラウンド・ビジョンに入ると床面に巨大なスクリーンがあって、そこに映し出された日本地図を見下ろしながら全国の大名たちが関ヶ原に集結し、合戦に至るまでの動きを見ることができます。
東西両陣営の動きを俯瞰してドキュメンタリータッチでみることができるのに加えて、ナレーションが、チケットがなかなか取れないほどの人気講談師の神田伯山によるもので、講談調の解説が子気味良くて耳に心地いいです。
映像も立体的で色も美しく、しかも見やすくわかりやすくて、これだけ見に何度でも来たくなりそうです。
8分ほどの映像をグラウンド・ビジョンで見た後はいよいよシアターに移って関ケ原の合戦が開始されてから決着がつくまでの映像を見ることができます。
シアター
小ぶりのシネマ劇場ですが、ドルビー音響による音楽と、刀や槍、兵士たちが激突して戦う音の迫力はすさまじく、大軍勢が激突する瞬間を上空から眺めていたかと思うと戦場の真っただ中に降り立って、ぶつかり合い斬りあう兵士たちの足元から見上げてみたりと次々に視点が変わってめまいがするほどのすごい映像でした。
しかも、映像に合わせて座席が揺れたり、風が吹いてきたりとまさにアトラクションに乗っているような演出まであって、体や心臓が弱い人にはちょっと注意が必要なほどのリアリティあるものでした。
この9分間の素晴らしい体験が終わると2階に上がってやっと博物館本来の展示室に入ります。
展示室
展示室では関ケ原の戦いに参加した武将たちの甲冑や書状、合戦図屛風などが展示してあって、合戦についてより深く学ぶことができます。
展示室のガラスケースの中に徳川家康、石田三成のほか、黒田長政、福島正則、大谷吉継、小早川秀秋といった武将たちの甲冑や肖像画がズラッと並んでいる光景はなかなか見ごたえがあります。
また、同じ二階には撮影可能な体験コーナーがあって、槍や刀、火縄銃を実際に手に取ることができたり、陣太鼓や陣鐘を鳴らしてみることもできます。
僕が訪れた時には人気漫画の「センゴク権兵衛」の作者の宮下英樹さんの作画展もやっていました。
展望室
2階の展示室を見た後はエレベーターで5階の展望室に上がりました。
展望室からは関ヶ原を360度眺めることができます。
ところどころ、山の上に幟旗がはためいているのが見えるところもあって、解説板を見ながら、どこが誰の陣の跡かを確認することができます。
特に黒田長政と竹中重門が陣を張ったところは近いので、肉眼でもはっきり見えました。
ちなみに岐阜関ケ原古戦場記念館が建っている場所は、徳川家康が戦いの終盤に最後に陣を張った場所だそうです。
最新の技術を駆使した映像や演出は素晴らしく、何度でも見たくなるし、特別展などの企画も行われるようなので、繰り返し訪れてみたくなる場所だと感じました。