とっく~ブログ 

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ゴーストハント 5 鮮血の迷宮 小野不由美 角川文庫

ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (角川文庫)

あらすじ

長野県諏訪地方の山中に明治時代からある古い洋館で次々に起こる謎の失踪事件の解決を依頼され、国内外の名だたる霊能者や研究者が招集された。

 

洋館の中を調査しているさなかにも館にいる人間が一人、また一人と姿を消していく。

 

謎の増改築を繰り返して複雑な構造になった洋館の過去の秘密とは?また、そこに棲むたくさんの霊たちの正体とは?

感想

ファンの間ではシリーズ最恐との呼び声が高い本作ですが、文章におどろおどろしい雰囲気もなく、登場人物たちがライトノベルのようなユーモラスなやり取りをするので、たしかに凄惨なシーンはありましたが自分としてはそれほど恐ろしいと感じることはありませんでした。

 

小野不由美さんのホラー作品としては「残穢」や「営繕かるかや怪異譚」といった作品を読んだことがありますが、これらの作品のほうが本格的に恐ろしく、ホラー好きにはこちらのほうがお薦めです。

 

ただ、シリーズを通して主要な登場人物たちには謎も多く、伏線もいろいろ張られているので、ホラー初心者やミステリー好きの人にも楽しめる作品だと思います。

 

全7作品の5巻となり、主人公の女子高生麻衣の生い立ちや主要な登場人物の一人である謎の中国人リンの能力の一端がみられるなど少しずつ伏線の回収が始まってきました。

 

この物語には主に7人の主要人物がいて、それぞれが大変個性的な霊能者たちなのですが、シリーズ開始当初はお互いにいがみ合って仲が悪かったメンバーたちが、物語が進むにつれてお互いを理解し、危機が迫ればそれぞれの得意技を生かして協力し合うなど次第にいい関係になってきているのが僕はとても好きです。

 

これから残り6巻と7巻で伏線がどのように回収され、どんな結末を迎えるのかますます楽しみです。