とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

「ラプラスの魔女」東野圭吾(角川文庫) 760円+税

東野圭吾さんの作品はガリレオシリーズをはじめ今までもたくさん読んできたのですが、失敗する事が全然無いので、誰かにお薦めの本は有るかと聞かれた時にはいつも東野圭吾さんの作品を読むようにと言っています。

それほど東野圭吾作品は面白くて魅力的なので、普段あまり読書をしないと言う人にも自信をもって薦められると思っています。

東野圭吾さんの作品はたくさん有るのでまだまだ読んでいない作品がいっぱいあって、この「ラプラスの魔女」もその一つでした。

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2018年には映画化されているのも知っていたのですが、他にも読みたい本が色々ありすぎて後回しになっていました。

温泉地で起こった硫化水素中毒による死亡事故は単なる不幸な事故だと思われたが、疑問に思った刑事が調べを進めると疑惑が次々と明らかに。

一方、事故調査を依頼された地球化学者が出会った不思議な力を持つ少女が探している人物とは誰なのか?

過去に高名な映画監督の家族に起こった硫化水素自殺と今回の事故との関係は?

謎がどんどん出てきて伏線がどのように回収されるのか先が気になって気になってページをめくる手が止められませんでした。

後半で明らかになってくる驚愕の真実が国家まで絡んでくる壮大なスケールで度肝を抜かれました❗

物理の歴史や法則、脳科学などにも触れられていて知的好奇心も刺激されました✨

映画もDVDを借りて観賞したいと思います🎵

これからも東野圭吾作品を全て読破するつもりで読んでいきたいです。

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「スキマワラシ」恩田陸(集英社) 1800円+税

買ってから二ヶ月ほど積ん読していましたが、真夏の青空の下にポツンと佇む少女の表紙に惹かれてつい衝動買いした本です。

460ページを超える大作で、ずっしりととても重い本ですが、いざ読み始めるととても読みやすくて休日一日で読み終えることが出来ました。

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恩田陸さんと言えば直木賞本屋大賞を受賞した「蜂蜜と遠雷」や、同じく本屋大賞を受賞した「夜のピクニック」などが有名ですが、まだ読んだことがなくて、この小説が始めての恩田作品です。

廃ビルの解体現場に現れる麦わら帽子をかぶった少女「スキマワラシ」の正体は?彼女は工事現場で何を探しているのか?また、古道具屋を営む主人公の兄弟たちの前に現れた芸術家の醍醐覇南子とスキマワラシの関係は?

ファンタジーの要素が強いですが、ミステリーや、ちょっとだけホラーっぽい部分もあってとても面白い作品でした。

高度経済成長の日本が真夏だった時代から人口減少にともない徐々に経済が縮小に向かう現代。廃ビルに現れる麦わら帽子をかぶり夏のワンピースを着た少女は成長に向かっていたあの時代の象徴なのか。

あの時代に少年だった僕にはちょっと懐かしく感じられる作品でした。読み終わった後に山下達郎の名曲「さよなら夏の日」が聴きたくなりました。

これをきっかけに恩田陸さんの作品もいろいろ読んでいきたいと思いました。

「始まりの木」夏川草介(小学館) 1600円+税

もう10年以上前ですが、夏川草介さんの「神様のカルテ」を読んで共感したのを覚えています。

もう細かいことは忘れましたが、夏目漱石を愛読する主人公の医師が患者の死に立ち会ったり過酷な労働環境に悩みながらもプロのカメラマンである妻と共に成長していく心暖まるストーリーでした。

その後映画化されて劇場に観に行ったのを覚えています。

「始まりの木」はそれ以来久しぶりに読んだ夏川草介さんの作品でした。

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この大樹を描いた緑を貴重とした美しい表紙の絵に惹かれて思わず手にとってしまいました。

偏屈な性格が災いして敵が多くなかなか教授に昇格でず、昔の事故のせいで足が不自由な民俗学者と、将来の進路に不安を抱きつつ、民俗学の魅力にはまりつつある可愛い女子大学院生の二人が主人公です。

神仏を敬う心を失い人や自然を慈しむ心を忘れ、金を稼ぐことが正しい事だとなんでもかんでも金銭ずくで計算して、ものの価値をひっくり返してしまった我々日本人は何処へ向かうのか。

その答えを探して二人は日本各地を旅します。

この作品のヒロイン藤崎千佳は、青森県に始まり長野県、京都市高知県そして東京などを旅して各地に残る信仰とそれを支える人々との出会いから、感じることの大切さを学びます。

「風の流れ、小鳥の囀りなど自然の現象を通じて感じることができると、人間がいかに小さくて無力な存在かわかってくる。だから昔の日本人ってのは、謙虚で、我慢強くて、美しいと言われていたんだ」

大学の近所の寺の住職である雲照が千佳に語った言葉はすごく心に響きました。

そして「巨木や巨岩、巨山信仰は自らを世界の一部に過ぎないと考えてきた日本人の感覚は、まだ完全に消え去ったわけではない。今もそこかしこに確かに息づいていて、人の心を支えている」

「だからこそ、この国は美しいと思うのだよ」

この偏屈な民俗学者、古屋神寺朗の言葉にグッときました。

少子高齢化による人口の減少で経済が縮小に向かいつつある日本。まさに時代の過渡期に生きる我々はどこに向かうのか、一旦立ち止まって考えるべきなのか、それともこのまま突っ走るべきなのか。

この作品の主人公たちと共に考えていきたい思いました。
是非続巻が出ることを希望します。

2020年11月に読む本

2020年10月31日土曜日天気は晴れ☀️

今年はコロナウイルスの影響で自粛ムードではありますがハロウィンということもあって街にはハロウィンを意識したメイクをした人もちらほら見かけられました。

そんな中、名古屋駅ビルのタカシマヤ8階にある大型書店の三省堂書店で11月に読む本を買ってきました🎵

今月は偏りなく広いジャンルの本を読もうと思い、ミステリー、ファンタジー、青春・恋愛、SF、時代、ホラーの6ジャンルの小説と、科学系読み物、新書の合計8冊を買いました。

文庫本ばかりですが8冊も買うと1万円近くなって結構な金額ですが縮小が続く出版業界を少しでも応援したいという気持ちです。

ラプラスの魔女東野圭吾(角川文庫) 760円+税

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ミステリーといってまず頭に浮かんだのが東野圭吾さんだったので買いました。

この作品はたしか映画化もされているはずですがどちらもみたことがないので、まずは原作を読んで映画のDVDも借りて観賞したいと思います🎵

「烏に単は似合わない」阿倍智里(文春文庫) 720円+税

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大ヒットしたファンタジー小説八咫烏シリーズ第1巻です。

以前から気にはなっていたのですが、小野不由美さんの「十二国記」をずっと読んでいたので手がまわりませんでした。「十二国記」に一区切りついたので次はこの作品を読んでいこうかと思っています。

「ハグとナガラ」原田マハ(文春文庫) 570円+税

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青春・恋愛小説のジャンルに当てはまるのか読んでみないとわからないのですが、原田マハさんの小説が大好きで全作品を読破するという野望もあるので買いました。

「星系出雲の兵站2」林譲治(ハヤカワ文庫)  860円+税

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「三体」が面白かったのでSF小説もいろいろ読んでみようと思って買いました。

だいぶ前に1巻は読んでいたのですが、2巻以降は読んでいなかったので面白かったら続巻も読んでいこうと思っています。

「花散らしの雨 みをつくし料理帖」高田郁(ハルキ文庫)   571円+税

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映画を観て、原作第1巻の「八朔の雪」を買って、これも泣けて感動したので買いました。シリーズ全10巻と特別巻も出ているようなのでコンプリートしたいと思います。

ゴーストハント1」小野不由美(角川文庫) 720円+税

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小野不由美さんのホラー小説は今までも「残穢」「かるかや怪異譚」を読んで、すごく記憶に残る作品だったのでこの作品も期待できると思って買いました。

「生き物の死にざま はかない命の物語」稲垣栄洋(草思社)  1400円+税

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文系の書物ばかり読むのも偏りがあるかと思い、科学系の読物も買いました。動物の生態の話のようですが、タイトルが哲学的だなと思ったのと、表紙の絵が優しいタッチで良いなと思いました。

「日本史サイエンス」播田安弘(講談社ブルーバックス) 1000円+税

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蒙古襲来や豊臣秀吉中国大返し戦艦大和など歴史学を科学的視点から検証するという、歴史好きの僕には大変興味深い内容のようなので衝動的に買ってしまいました🎵

今回読むのが一番楽しみな本です。

以上8冊いずれも面白そうな本で、一気に読んでしまいたいのですが、時間に制約もあるのでどれくらいかかるやら。

隙間時間も見つけてどんどん読んでいきたいです✨
今からワクワクしています🎵

映画「みをつくし料理帖」を観賞

2020年10月21日水曜日、天気は晴れ☀️

アニメ映画「鬼滅の刃」が空前の大ヒットをして平日の最終時間にもかかわらず、映画館のロビーが混雑しているなか一人で「みをつくし料理帖」を観賞してきました。

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普段あまり映画館で映画を観ることはなくて、この日も約1年ぶりの映画館だったのですが、他に誰もいなくて劇場にたった一人というのは初めての経験でした💧

何度も泣ける良い映画だったので他の人も鬼滅の刃をみたついででもいいから是非「みをつくし料理帖」も観てほしい。

物語は大阪で洪水にあい両親を亡くした少女が料理屋に拾われて女料理人として身をたてて、江戸に出て関西と関東の味の違いに悩みながら自分の味を極めていく成功物語です。

主人公の澪が周りの人に支えられながらひた向きに料理に取り組む姿や、吉原のナンバーワン花魁あさひ太夫が実は行方不明になった幼なじみの野江だとわかるシーンなど泣ける場面がいくつもあります。

また、料理の話なので四季折々の料理がでてきたり、関東と関西の味や料理の違いも学べたりストーリー以外にも見所満載でした✨

原作の小説は時代小説としては空前の大ヒットを記録して、いくつもの賞を獲得したりドラマ化もされているので、以前から気にはなっていたのですがまだ読んだことはありません。

実在の人物を主人公にした歴史小説は好きで今までもたくさん読んできたにですが、フィクションである時代小説は読んできませんでした。

でも、この映画を観て考えが変わりました。これからは人情ものの時代小説も積極的に読んでいきたいと思います🎵

とりあえず、まずは「みをつくし料理帖」全10巻を読破するぞ‼️✊

「面白くて眠れなくなる恐竜」平山廉(PHP)

僕は子供の頃ウルトラマンの怪獣やゴジラが大好きでした。

怪獣消ゴムは500個以上持っていて、友達の怪獣消ゴムと相撲対決などして遊んでいました。

その流れで恐竜にも興味を持ち、親に恐竜図鑑を買ってもらってよく読んでいたのを覚えています。

しかし、40年以上前のその頃の恐竜のイメージと言えば現代の爬虫類と同じ変温動物で寒さに弱く、気候の寒冷化によって絶滅した大昔の生き物というものでした。

また、姿もそれこそウルトラマンに登場する怪獣やゴジラのように真っ直ぐ二本足で立ってゆっくりドスンドスンと歩くようなイメージでした。

それが現代ではジュラシックパークに登場してくるように背中を地面と平行にして俊敏に動く姿にかわり、最近では更に体に色とりどりカラフルな羽毛まで生やしています。

この「面白くて眠れなくなる恐竜」は最新の恐竜研究の成果を初心者にも解りやすく解説した本です。
価格は1400円(税別)です。

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著者の平山廉さんは化石爬虫類の専門家で、特に恐竜時代のカメ類について大きな関心を持っているそうです。

また、僕の実家である石川県白山市にある桑島の化石壁で発掘作業に携わっていたということで、ちょっと親近感がわきました。

この本には僕が子供だった40年前の恐竜のイメージがなぜ現代のような姿に変わったのかその研究の歴史が書かれていて、なる程な~と納得しました。

最新の研究に関して他にもたくさん書かれていて、恐竜は大人になっても脳の大きさは子供の頃と変わらないので、成長するにしたがって体が大きくなれば動きも遅くなった、という話は特に興味深かったです。

他にもトリケラトプスの角はティラノサウルスと闘うための武器ではなく、メスに求愛するためのアピールに使っていたとか、ステゴサウルスは他の恐竜のウンコを食べていたという説は面白かった🎵

そして、僕の子供の頃の巨大恐竜の主役と言えばブロントサウルスとブラキオサウルスでしたが、今ではブロントサウルスという名前はなくなったそうです。

また、湖の深い底から首を高く伸ばし、頭の先だけ水上に出して呼吸する姿が図鑑に描かれていたブラキオサウルスは、実は頭を高く上げられなかったことが判明したということです。

これらの恐竜像が昔と全く変わってしまったことにショックすら感じました。

この本をきっかけに子供の頃に大好きだった恐竜についてまた興味が湧いてきました。
他にも恐竜に関する本をいろいろ読んでみたくなりました✨

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「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ~扉子と空白の時~」三上延(メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖」は僕が大好きなシリーズです。

シリーズ開始の第1巻から全部購入して読んでいます🎵

2012年に文庫書き下ろしの作品としては初めて本屋大賞にノミネートされ、その後ドラマや映画にもなりました。

ビブリア古書堂の若くて美しい店主篠川栞子が店に持ち込まれる古書とその持ち主にまつわる謎を解いていく人が死なないミステリーです。

7巻まで出たところで一度シリーズは終了しましたが2018年に新シリーズが始まり、この本はその第2巻です。

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280ページ程とお手頃な量で、定価は630円(税別)です。

今までもシリーズでは夏目漱石江戸川乱歩太宰治などの古書の謎を解いてきましたが今回は横溝正史の幻の作品「雪割草」に関する謎に挑みます。

華族の邸宅で大切に保管されてきた「雪割草」が何者かに盗まれ行方不明に。

誰が何の目的で、どうやって盗んだのか。仲の悪い双子の姉妹を中心に相続とも絡んで事件はややこしくなります。

また、そもそも「雪割草」という本が存在するのか?というワクワクする内容です。

この作品では、これまではすぐに謎を解いてきた栞子が、今回はすぐに解決出来ず、9年もかかるという難問です。

あと、前シリーズの終盤に結婚した栞子と大輔の娘である扉子が物語に絡んでくるというのが、シリーズを初めから読んできた自分にはたまらなかったです。

扉子が今後成長して祖母や母を上回るほどの古書の知識や洞察力を身に付けるのかというところも注目点で、これからがとても楽しみです🎵

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