とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

「ゴジラ幻論」倉谷滋(工作舎)

シン・ゴジラの魅力は、「現実対虚構」だと思う。

リアルな世界に突然謎の巨大生物が現れて都市を破壊する。

その巨大生物を倒すために試行錯誤しながらも奮闘する日本政府や自衛隊の姿。

そこにはメーサー砲やスーパーXのような空想の武器も登場せず、現実の兵器だけで戦う自衛隊はとてもリアルでかっこよく見えました。

この本も形態学者がゴジラを形態学的、進化発生学的に真面目に真剣に読み解く所がとても魅力的な本です。前半は😁f:id:kurakkaa:20200217142605j:plain

前半は映画の中の登場人物達がゴジラを生物学的に研究し、分析して判明したことを報告するという形で書かれていて、生物の進化の歴史や、ゴジラが生物学的にどこに分類できるかなどとてもリアルで、映画の世界を科学的に補完していて難しくて解りづらい所もあるけど興味深く読めました。

後半は一転、著者のオタクっぽい怪獣愛が爆発、いや、暴発か?
1960年代以降のゴジラ映画作品やウルトラQの批評になっていて、こちらはとても解りやすくて面白かったです。

2017年2月に発行されたこちらの本は293ページあって、前半は専門的な話もあって読みづらいので読了するのにトータルで9時間かかりました。わからないところを流し読みすれば、後半はサクサク読めたのでもっと早く読めると思います🎵

牧悟郎博士がゴジラを生み出すまでの研究日記は映画に描かれていない部分なので、映画のストーリーを補完する部分としてとても面白かったです(辛い話ではあるけど)。

ゴジラ映画の東宝ガメラを生み出した大映映画の色の違いなんかもとても興味深く、印象に残りました。

読後は当然のようにシン・ゴジラのDVDを観たくなったし、怪獣映画をたくさん借りたくなりました❗