歴史の中で敗者となった戦国武将たちの敗因を考察した本です。
と言っても戦の戦術の話ではなくて、政治力の話。
政治力とは人を動かす力です。
この本に登場する武将たちがなぜ自分が思う方向に人々を動かすことが出来なかったのか。その原因を探っていきます。
作者の瀧澤中さんは政治史の研究家で戦国武将や幕末志士、明治の軍人の政治力に関する本を多く出版されています。
武田勝頼、石田三成、豊臣秀頼といった有名な武将たちはなぜ最終的に敗れてしまったのか、なぜ部下や世間から支持されなかったのか。
逆に徳川家康や豊臣秀吉など天下をとった武将や総理大臣まで登り詰めた昭和の政治家たちがどうやって人を動かし天下をとったのか。
具体例をあげながら解説しています。
戦国時代も現代も人を動かすには、「この人のために」と思わせるとか、「この人についていったほうが得である」と判断させることが組織内で政治力を持つことに繋がります。
では敗れた武将たちはどうすれば勝てたのか。そこまで深く考察していて、とても興味深い本でした。
これから社内で出世したいとか、会社を創りたいと思っている人たちが人を動かすためにはどうすればいいのか。
政治力は意識して身につけるものだと、この本の最後に語られています。
ビジネス書としてもとても参考になる本だと思いました。