2002年にNHK大河ドラマとして放送された「利家とまつ~加賀百万石物語~」の原作後編です。
後編は前田利家が越前府中に領地を与えられてから本能寺の変、賤ヶ岳の戦い等の難しい局面を生き抜き豊臣政権のナンバー2にまで登り詰めて加賀百万石の礎を築くまでの激動のストーリーです。
賤ヶ岳の戦いの前に親友の羽柴秀吉と恩人柴田勝家との間で板挟みに合い悩む利家と夫をしっかり支えるまつの姿に感動しました。
また、関白として人臣の最高位まで登り詰めた秀吉を時には忠実な家臣として、時には殴り合いの喧嘩をしたり親友として支える利家に清々しい感情を覚えました。
この作品で利家は「命は一代、名は末代」という言葉を繰り返し使い、男はいかに美しく生きるかということがテーマになっています。
「欲のない男、利に走らない男というものは一番信ずるに足るものだ」
肉親すら信用できない下克上の時代に利家が織田信長や豊臣秀吉に信頼されてナンバー2にまで登り詰める事が出来たのはこの生き方を貫いた結果でした。
現代のような混沌とした時代にこそ前田利家の生き方は大いに参考になると思いました。