とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

2020年8月に読んだ本の集計

雨が多くて岐阜県下呂温泉では豪雨災害も起こるなど、なかなか梅雨が明けなかった7月から一転して、8月の愛知県は35度どころか連日38度を超えるような猛暑が続いています。


そんな中8月前半はあまり読書が進まず読破する本の冊数も伸び悩みましたがなんとか8作品読むことができました🎵


角フェスや集英社文庫の100冊など、出版社の文庫本のフェアの時期ということもあって買った作品も読んだ作品も全て文庫本でした。


ジャンル別ではミステリー、青春、歴史、ホラーが各2作品ずつ。ファンタジーやSFが今月はなかったので9月はそれらのジャンルの作品も読んでみたいです✨


女性作家の作品が5作品、男性作家の作品が3作品でした。


意識しているわけではないのですが、柚月裕子さん、小野不由美さん、原田マハさんといった女性作家の作品に今は注目しているので自然と女性作家の作品が多くなりました。


ジャンル別に8月に読んだ本を振り返ってみます。


まずミステリーから。


孤狼の血柚月裕子(角川文庫)

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昭和から平成に移る頃の広島県を舞台に暴力団同士の抗争と警察の奮闘を描いた小説ですが、ヤクザと警察の双方にクズみたいな奴もいれば男気溢れるカッコいい人物もいて読んだ後に昔のヤクザ映画を観た後のように風をきって歩きたくなりました🎵

「アノニム」原田マハ(角川文庫)

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アート義賊窃盗団アノニムと謎の大富豪ゼウスが率いる悪の窃盗団が香港を舞台に20世紀の巨匠ジャクソン・ポロックの幻の絵画をめぐって激しい駆け引きを展開するスパイ映画のようなストーリーです。


どちらも事件の謎を解明して犯人を捕まえるような本格的ミステリーとは違いますが先の展開が気になってどんどん読み進めてしまいました❗


次は青春・恋愛小説。


「いなくなれ、群青」河野裕(新潮文庫)

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タイトル通り群青色を基調とした幻想的な情景描写が印象的な作品でした。高校生の男女が主人公なので一応青春・恋愛小説のジャンルに入れましたが、ファンタジーやミステリーの要素もふんだんに散りばめられていて読み応えありです。

「敗者たちの季節」あさのあつこ(角川文庫)

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高校野球地方大会の決勝で勝利したチームが不祥事で甲子園出場を辞退。敗れたのに突然全国大会に出場できることになった高校生たちやその周囲の人たちの心の葛藤を描いた物語です。

チームのメンバーだけでなく、監督、エースピッチャーの母親、キャプテンの彼女など、周りの人たちのバックボーンが細かく語られていて、その心の変化がしっかり伝わってきて良かったです。

次は歴史小説

「秀吉の活」木下昌輝(幻冬舎時代小説文庫)

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「生きるではなく、活きるでないといけない」亡き父の言葉を胸に、身分も低く容姿も悪く体も小さい自分がどうすれば武将として出世できるのか。その事を必死に考え工夫を重ねる秀吉の姿に、自分も見習わなくてはと刺激になりました❗

「泣くな道真~大宰府の詩~」澤田瞳子(集英社文庫)

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大宰府に左遷されてきた菅原道真が地元の人々の努力で元気を取り戻し、逆に彼らの危機を救って、道真を左遷した京都の公家たちに仕返しをするという奇想天外で痛快な物語です。

当時の大宰府や博多の様子、平安時代の人々の暮らしを知ることができて勉強になりました🎵


ホラー小説

「シライサン」乙一(角川文庫)

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ある怪談を聞いた人たちが一人また一人と次々に眼球を破裂させて死んでいくという身の毛もよだつホラー小説です。

チリンとどこかから聞こえてくる鈴の音が徐々に近付いてきて目が空洞の女が現れるシーンはホントにゾクゾクしました。

「営繕かるかや怪異譚」小野不由美(角川文庫)

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こちらの作品はホラー小説ですが少しテイストが違いました。

地方の城下町に残る古い家屋に現れる怪異をリフォームすることによって解決するというユニークな連作短編形式のホラー小説です。

倒したり封じたりするのではなく、うまく折り合いをつけて共存しようという、そんなやり方もあるのかという目から鱗が落ちる作品。

ホラーなのでゾクゾクするシーンもあるのですが、絆とか友情、親子の愛など、心が暖かくなってホロッと泣けるシーンもたくさんあります。

続編もあるので是非読んでみたいです🎵

9月もまだまだ新型コロナに加えて暑い日が続くので、家にこもって読書三昧といきたいです🎵