とっく~ブログ 

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ゴーストハント3 乙女ノ祈リ  小野不由美 角川文庫

小野不由美さんの手掛けるホラーシリーズ全7巻のうちの3巻です。

あらすじ

東京周辺にある伝統と歴史ある女子高校の湯浅高校で起こる幽霊やポルターガイスト現象といった怪事件の原因調査にのり出した渋谷サイキックリサーチのメンバーと、いつもおなじみの4人の霊能者たち。

 

手分けして怪現象に関する聞き込みや調査を続けると、ある超能力少女の存在が浮上。

 

数々の怪現象と超能力少女との関係は?渋谷サイキックリサーチのメンバーと4人の霊能者たちは怪現象に対してどう挑むのか?

感想

正直、ホラー小説として読むと少々物足りなさを感じるので、本格ミステリーだと思って読んだほうがおもしろいと思いました。

 

もちろん呪詛とか怪奇現象といったホラー的な要素もあるので、ぞわっと鳥肌が立つような描写もありますが、数々起こる怪奇現象に対して一つ一つ丁寧に聞き込みをしたり、機材を使って科学的に検証したりしながら証拠を集めて、原因を論理的に推理していくという過程が印象的で面白いと思いました。

 

それに、作品の雰囲気も本格的なホラー小説のような、得体のしれない恐ろしさが醸し出されているような暗いものではなく、ライトノベルのような会話のやり取りが飛び出す明るいものなので、中高生が初めて読むホラー小説として最適なのではないでしょうか?

 

それでも、次々に起こる怪奇現象、その元凶だと疑われて迫害を受ける少女、その少女を必死にかばう一人の女性教師といった構図が、十二国記の序章である「魔性の子」に似ていて、もしかして、この作品から後にあの壮大な中華ファンタジー作品である十二国記につながっていったのではないかと想像してしまいました。

 

作品はまだまだ中盤ですが、作品中のあちらこちらに伏線がちりばめられいて、これらが、いつ、どの時点で回収されるのかとても気になります。

 

また、主人公であるごく普通の女子高生、谷山麻衣にある変化が起きたので、今後シリーズの中で彼女がどうなっていくのかも大変興味深いです。

 

シリーズは7巻まであと4冊あるので、それも購入して最後まで読みたいと思います。