とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

晩秋の清洲城

2020年11月21日土曜日。本日の愛知県の天気は快晴☀️

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天気はとてもいいのですが20℃を超えた昨日までとは違って今日の予想最高気温は18℃で、北西(?)の方から強い風が吹いてきていて少し肌寒いです。

原付に乗るときも昨日までは薄い長袖のパーカーを羽織った程度でも十分でしたが今日は少し厚手のコートを着ないと寒くて我慢できないくらいでした。


今日の全国の新型コロナウイルス新規感染者は2594人で、3日連続で最多を更新とのことで政府はついにGo Toキャンペーンの見直しを表明する事態になりました。

東京で539人、大阪で415人、僕がすむここ愛知県は211人と大都市圏では今日も多くの感染者の発表がありました。


そんな中、今日は一宮市の自宅から原付で南に30分程のところにある清洲城に行ってきました🎵

最近まで天守閣のお色直しをしていて、その辺のマンションと見間違うような工事の幕で覆われていたのですが、ようやくそれも終わって、黒い漆塗りの勇姿を見られるようになりました✨
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快晴の青空の下に黒い清洲城が、よく映えてとても綺麗でした✨
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訪れる人はそこそこいましたが密になるほどではなく、入口では検温と消毒、マスクの着用の徹底に万が一感染者が出た時のための記入と、対策も徹底されていました。

清洲城の中は博物館になっていて、織田信長や縁の武将、清須の城下町の歴史が展示してあって結構楽しめます。

以前訪れた時は佐々成政などの武将隊のお出迎えや紙芝居のパフォーマンスも見られたのですが、このコロナ禍で休止されているのか、今回は見られませんでした。

最上階は犬山城のようにベランダに出られて360度見渡すことが出来ます。今日は快晴で空気も澄んでいたので遠くまでよく見ることが出来ました。

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南側は名古屋駅の高層ビル街がよく見えました。
徳川家康名古屋城を築くまではここ清須が尾張の中心地だったので、世が世ならあの高層ビル街はここにあったのかもしれません。

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東側は遥か彼方に御嶽山を臨む事が出来ました🎵
今はとても穏やかに見えていて、6年前の2014年9月に噴火して最悪の犠牲者を出した山とはとても思えません。

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西の方角には伊吹山が見えました。織田信長は清須にいた頃はまだ身内との争いや東の今川義元との戦に明け暮れていて、伊吹山を眺めて西の京に上る夢など見る余裕もなかったのでしょうか?

織田信長がいた頃の本丸の正確な位置はわからないそうですが、現在の天守閣のある場所ではなくて、五条川を渡った対岸の方らしいということです。

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こちらは公園になっていて春は桜🌸、秋はもみじの紅葉🍁が楽しめます🎵

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発掘された石垣も展示してありました。

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この石垣が展示してあるところから新幹線や東海道本線を隔てた反対側には織田信長桶狭間の戦いに行く前の姿を描いた銅像がたっています。

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この銅像のある辺りに本丸があったのではないかとのことです。

こちらはもみじが何本も植えられていて、ちょうど西陽に照らされてとても綺麗でした。

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天気予報では明日は雲が広がって雨が降る時間帯もあるということなのでこんないい日に来ることができて、運が良かったです。

次は桜が見頃の頃にまた訪れたいと思いました。

「ハグとナガラ」原田マハ(文春文庫) 570円+税

僕は現在49歳で独身、独り暮らしで愛知県在住。両親は健在ですが、実家の石川県に住んでいて離ればなれで暮らしています。

この物語の主人公のハグも作品の中で30代から50代独身、独り暮らしで東京在住。実家の姫路に母親が独りで住んでいます。こちらは女性ですが、一緒に旅行する親友がいることなど共通点が多く、とても共感できる物語でした。

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この作品は大学の親友同士のハグとナガラが、仕事や離れて暮らす母親の介護の事で悩みながらも日本各地を旅行してお互いに支えあいながら人生を前向きに生きていく連作短編の物語です。

30代から50代という一番働き盛りの年齢で結婚や仕事、認知症になった親の面倒をどうするかといった大きな問題と、同年代の自分はどう向き合うのか、これから自分にも近い将来降りかかってくるかもしれない問題にどう対処すればいいのか。

何が正解なのか、そもそも正解なんてあるのか悩みます。こんな時に同じ想いをわかち合って一緒に旅に出られる親友がいるということは本当に有難い事なんだと気付かされました。

今年はコロナ禍で行けませんでしたが、僕にも20代の頃からほぼ毎年旅行に行っている親友がいます。

中学時代からの付き合いで49歳になった今でもお互い独身で彼は地元の石川県で母親と二人で住んでいます。

こういったところもハグとナガラに似ていて、とても他人とは思えませんでした✨

二人で旅行に行くきっかけとなったナガラがハグに送ったメール「いつでもいい、どこでもいい。一緒にいこう。旅に出よう。人生を、もっと足掻こう」この言葉が自分のこれからの人生も前向きに生きていける力になりそうです。

コロナ禍が去ったらまた親友と旅がしたい。そのときは仕事や親の事などもっと深い話もしたいなと思いました。

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晩秋の小牧山

2020年11月18日水曜日。今日の愛知県一宮市も天気は快晴☀️

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今日の気温は6日連続の20℃超えだそうです。

昼過ぎに外に出てみると少しムシムシと湿度を感じる暑さです。

Tシャツ一枚の上にパーカーを着ただけの格好で原付で走っていてもちょうどよい涼しさを感じる程の陽気でした。

ところが新型コロナウイルスの新規感染者は全国の集計で1日としては最高の2100人を超えました。愛知県も午後19時現在で134人と、またしても100人を超えました。

東京や神奈川などでは過去最高を更新したとの事で、全国医師会の会長が、今週末の三連休は我慢の三連休にしていただきたいと呼び掛けたそうです。

週末は出かけようかと考えていたのですが引きこもって読書でもしていた方がいいのかな…。

そんなわけで今日は仕事が休みなので遠出しようかとも思っていたのですが、近場で季節を感じることにしました🍁

僕がすむ愛知県一宮市から東へ原付で30分程の小牧市には戦国時代に織田信長が築いた事で有名な小牧山城があります。

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ここは現在は史跡公園となっていて市民の憩のスポットになっています。

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天気もいいしちょうどよい気温なので秋を感じつつ、遥か昔の戦国時代に想いを馳せながら散歩してきました。

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晩秋とは思えないほどの暖かさですが、季節は確実に冬に向かって進んでいて、木々は紅葉し、道は落ち葉が敷き詰められていてカーペットのようでした。

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ちょっとしんどいですが、山頂の歴史館まで登ってみることにしました。

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頭上からヒヨドリやカラスの鳴き声が盛んに聴こえてきたり、時おりドングリが木々の葉に当たりながらパラパラと落ちてくる音が聞こえてきたりと結構賑やかな林道を上っていきます。

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小牧山城は現在も発掘調査が続けられていて、今は通行止めになっている道もありましたが、道の途中に出土した石垣の石が積まれていたり展示してあったりと目を楽しませてくれます🎵

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山頂には歴史館が建てられていて戦国時代や織田信長、小牧長久手の戦いなどに関する展示がされていますが今回は入りませんでした。

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小牧山は常緑樹が多くて真冬でもこんもりと濃い緑色を保っているのですが、落葉樹も少しは生えているので、それらの木々が今は紅葉の見頃を迎えていてとてもきれいです。

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山道の出入口には「れきしる」という最新の機器を使った施設があって、これがなかなかのもので、100円という格安の入館料でCGや音響、センサー等を駆使してお城の歴史や戦国三英傑、小牧山城の発掘の成果などを展示解説しています。

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撮影禁止なので写真は撮れませんでしたが、プロジェクションマッピング小牧山城の石垣を再現してあったりとかなりの施設なので是非お城好きの人は行ってほしいです。

この素晴らしい施設もコロナウイルスの影響で6月まで休んでいたそうです。また、今でも感染防止のために休止している箇所もありました。

また以前のような日常に戻ることはないのでしょうか?とにかく1日も早い終息を願うばかりです。

「キケン 成南電気工科大学機械制御研究部」有川浩(角川文庫)600円+税

有川浩さんの作品は「植物物語」「阪急電車」「旅猫リポート」など幾つか読んできました。

爽やかな青春ストーリーが多くて、読後の爽快感がたまらないという作品が多い印象です。

この作品は理系男子の大学生達が部活で繰り広げるハチャメチャな青春ストーリーです。

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クラブ説明会で火薬を使ったド派手なパフォーマンスを行ったり、学園祭でプロ級の味のラーメンを開発したり、遊びが高じて殺傷力のある空気銃を作ってしまったりと、まさに大学生が若さにまかせてやりそうなことばかりです❗

自分は文系でしたが今から思えば大学生の頃は犯罪すれすれのバカな事をやってたな~と背中に冷たい汗が流れるのを感じながら読んでいました。

そしてそれらの事を、ある登場人物が過去の事として妻に語るという形にしているところがニクいと思いました。

どうしてもかつて大学生だった自分と重ね合わせてしまって自分もそうだったな~とか、一緒にバカやったり、べろんべろんに酔っ払うまで飲んで語り合った仲間達は今はどうしているだろうかと懐かしくて切ない気持ちになりました。

最後に過去の事を懐かしく妻に語っていた登場人物が10年ぶりに訪れた学園祭で後輩に案内された控え室で見た光景は…

この作品を読んであの頃の気持ちを思い出し、かつての友に久しぶりに連絡してみたくなりました✨

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名城公園は紅葉が見頃🍁

2020年11月14日土曜日。天気は快晴。名古屋市の日中の最高気温の予想は21℃です。

冬のコートでは暑いくらいのいい天気で、そよ風が気持ちのいい1日でした❗

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今日の愛知県の新型コロナウイルスの感染者は152人で5日連続の100人超えだということです。

そんな中、名古屋市名城公園の紅葉が見頃だというニュースを見たので早速行ってきました🎵

紅葉とは言っても名城公園都市公園なので京都のお寺のようにモミジの木を何百本も植えた日本庭園のようなものではありません。

ケヤキとかカエデの木が遊歩道に沿って植えられているもので、ジョギングしている人がいたり、小さい子供がいる家族連れが芝生で遊んでいる光景が見られるような市民の憩のスポットです。

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木々の葉が綺麗に色づいていましたが、すでに散っている葉っぱも多くて、遊歩道には落ち葉が敷き詰められていて、さらさらと足音がするくらいでした。

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公園を通り抜けるとすぐに名古屋城のお堀にぶつかりました。

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夕方の西陽に照らされた名古屋城天守閣がとても美しく、金の鯱もキラキラと輝いて見えました✨

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とても気持ちがいい日だったので名古屋城のお堀の周辺も歩こうと思い立ち、西陽がキラキラと反射するお堀の水面を眺めながらブラブラしました。

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お堀に住んでいるコブハクチョウが出迎えてくれました🎵

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休日にオッサン一人での寂しいお出掛けでしたがとても充実した一日を過ごすことが出来ました🎵

コロナウイルス感染拡大が報じられる中、公園を訪れている人も多かったですが、皆さんしっかりマスクをしていて、感染対策への意識は高い人が多いと感じました。

早く終息して以前の日常が戻ることを願うばかりです。

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「日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る」播田安弘(ブルーバックス) 1000円+税

エンジニアの著者が物理や数学の観点から歴史を見る、歴史好きには大変興味深い内容の本です。

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1回目の蒙古襲来である文永の役で、鎌倉武士たちを圧倒的に打ち負かしたはずのモンゴル軍はなぜ進撃せずに撤退したのか。

明智光秀を討つために羽柴秀吉が行った有名な「中国大返し」はどの様に成功させたのか。

戦艦大和は本当に時代遅れの無用の長物だったのか。

この三つの共通点は船に関係があることなんですが、日本史において大きなこの3つの出来事を船の設計のプロである著者が具体的な数字をあげながら検証していて、とても面白かったです。

物理や数学を駆使していると言っても数式などは出てこないので、文系である僕も抵抗無く読めました🎵

第1章の蒙古襲来ではモンゴル軍が日本を攻めるときの準備に要した期間や船を造るために必要な木材の量や森林面積、船大工の人数やその宿舎、食事の世話をする人などのマンパワー等から実際の艦隊の規模を割り出したりしています。

また、上陸地点や鎌倉武士たちの実際の戦いかたなど定説との矛盾点を指摘したりして計算から見えてくる真実はかなり違ったものではないかとしていて大変興味深いです。

第2章の中国大返しでも距離や兵士の歩行スピードはもちろん、消費するカロリーから必要な食糧を割り出したり、馬の数とえさ、二万の兵士と二千頭の馬が移動する間に排泄する糞尿の量まで割り出して、秀吉がいかにしてこの歴史的な出来事を可能にしたかを具体的な数字をあげて検証しています。

第3章の戦艦大和に関しては著者自身が「アルキメデスの大戦」という映画で製図を監修したということでかなり熱く語られています。

戦艦大和がいかに凄い戦艦であったか、攻撃力、防御力などを艦の構造や材質、武器など具体的な数字をあげながら示したうえで当時の軍部の戦略や戦術、組織の構造が大和をうまく使いこなせなかったと指摘しています。

そして現代のコロナウイルスへの政府や省庁の対応などとの共通点を指摘して警鐘をならしています。

せっかく日本人はモノづくりなど優れた能力を有しているのに枝葉にとらわれて全体を見失ってしまう。

目的と手段が乖離してしまうという問題を克服するためにこの本で見てきたように数字を手がかりにしてリアルな感触を大切にして歴史を見直す事が重要だと指摘しています。

自分も目的と手段を取り違えて手段が目的になっていることがよくあるので、この指摘にはハッとさせられました。

こんな風に歴史を具体的な数字を使って検証する本は歴史が好きな自分としては大変面白いのでどんどん出してほしいです。

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八咫烏シリーズ1「烏に単は似合わない」阿倍智里(文春文庫) 720円+税

大ヒットしたファンタジー小説のシリーズなので以前から気になっていました。

今までも「十二国記」「後宮の烏」といった中華ファンタジーは読んでいたのですが、日本の平安時代の宮廷をモデルにしたファンタジー小説は読んだことがなくて、全体的にも珍しいんじゃないかと思いました。

人が烏に変身できるファンタジー世界の宮廷で高貴な姫たちが次期帝の后の地位を争う、どろどろのストーリーが展開されて、誰が若宮の寵愛を勝ち取るのかといった物語なんだと前半は思いました。

しかし、中盤以降は殺人事件が起きたり宮廷に侵入者が紛れ込んだりと様相が一変してごりごりのミステリー小説のようなストーリー展開でした。

登場人物たちのそれぞれの思惑が絡んで事件の真相が二転三転して真実はなんなのか最後までわからないドキドキの展開に後半は一気読みでした❗

前半と後半で登場人物たちの印象がこんなにガラリと変わってしまう物語は他に知らなくて、かなり珍しいんじゃないでしょうか。

八咫烏シリーズは既に完結しているということですが、続きのストーリーが気になるので是非読んでみたいです🎵

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