とっく~ブログ 

読んだ本の紹介をメインに、小説に出てきた聖地巡礼や、写真など

「池の水」抜くのは誰のため? 暴走する生き物愛  小坪遊 新潮新書

テレビ東京の人気番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」など、外来種の駆除や、減少してしまった生き物を増やすための放流事業、野生動物への餌やり、保護といった活動は一見人の善意による尊い活動のように思われるが、注意しないととんでもないことにな…

ゴーストハント3 乙女ノ祈リ  小野不由美 角川文庫

小野不由美さんの手掛けるホラーシリーズ全7巻のうちの3巻です。 あらすじ 東京周辺にある伝統と歴史ある女子高校の湯浅高校で起こる幽霊やポルターガイスト現象といった怪事件の原因調査にのり出した渋谷サイキックリサーチのメンバーと、いつもおなじみの4…

スマホ脳 アンデシュ・ハン〔著〕 久山葉子〔訳〕 新潮新書

2021年上半期ベストセラーランキング「新書・ノンフィクション部門」で1位になった本です。 昨年11月に発売されて以来6月までの約半年間に46万部以上売れたということです。 著者の母国であるスウェーデンでは、人口1000万人にも満たないにもかか…

新潮文庫の100冊 2021の中で読んだことがある本

僕は個人的には夏の3大文庫フェアの中ではこの新潮文庫の100冊が一番好きです。 新潮文庫の100冊小冊子 理由は単純で、キュンタうちわしおりが好きだからです。 しおりとしての機能性はともかく、夏らしい涼しげなデザインとペラペラな材質が好きで、…

2021年7月に読んだ本

コロナウイルスがどんどんデルタ株に置き換わり、東京の感染者がついに4000人を超える中、もめにもめた東京オリンピックがついに開幕した7月。 連日の猛暑で休日もクーラーの効いた部屋に引きこもりがちの生活を送っていましたが、結局読破できた本は6冊…

スモールワールズ 一穂ミチ 講談社

「スモールワールズ」は、つい先日発表された第165回直木賞の候補作になった作品です。 この作品は、何人かの作家さんが集まって書いたのではないかと思うほど、それぞれの趣が違う6編の短編集です。 共通して言えるのは、趣が違いながらも、それぞれに問…

カドフェス2021で気になる本5選

カドフェス2021の小冊子には94作品が紹介されていて、6つのジャンルに分けられています。 カドフェスの小冊子 注目の映像作品 青春いっぱい 感動する 手に汗にぎる 名作 心をつかむロングセラー どのジャンルの作品も魅力的に見えてとても目移りしてし…

カドフェスの小冊子の中で読んだことのある本 その2

夏の3大文庫本フェアの一つである角川文庫のカドフェス。 その小冊子の中には94作品が紹介されていました。 カドフェスの小冊子 その中で僕が読んだことがある作品は17作品で、そのうち、ここ2・3年のうちに読んで内容を覚えているのは8作品でした。 この8…

カドフェスの小冊子の中で読んだことのある本 その1

夏の3大文庫フェアの一つである角川文庫のカドフェス。 カドフェス2021の小冊子 黄色と黄緑のイメージカラーが特徴的で、書店に入ると真っ先に飛び込んでくるほどよく目立ちます。 プレゼントも集英社のナツイチや新潮文庫の100冊に比べるとかなり豪…

集英社文庫のナツイチ2021の小冊子を見て気になった作品5選

毎年夏のこの時期に行われている3大文庫フェアの一つ、集英社文庫の「ナツイチ」 ナツイチ2021の小冊子 書店でこのフェアの棚を見かけるだけでワクワクして、ついつい衝動買いしてしまいます。 もし、僕に無尽蔵に金と時間が与えられたなら、マイケルジャク…

テスカトリポカ 佐藤究 角川書店

「テスカトリポカ」は、つい最近発表された、2021年上半期の第165回直木賞で、澤田瞳子さんの「星落ちて、なお」と共にダブル受賞を果たした作品です。 直木賞の候補作だと知る前から書店でこの本を見かけて、タイトルとカバーデザインに強烈に惹かれ…

集英社文庫のナツイチ2021の小冊子に載っている本の中で読んだことがある作品

集英社文庫のナツイチ2021の小冊子をじっくり見たのですが、とても見やすくて、気になる作品がたくさんあるので、給料が出たら買いたいなぁと思うのですが、部屋には今月買った本がまだ何冊も積まれているので、そっちを先に片付けるべきか、悩ましいところ…

夏の文庫本フェア2021

毎年夏になると書店の店頭にドーンと登場するコーナーがあります。 それが3大文庫本フェアです。 集英社文庫のナツイチ、角川文庫のカドフェス、新潮文庫の100冊。 大抵は書店に入ってすぐの目につくところにコーナーが設けられているので、これらのキャ…

2021年上半期で特に印象に残った小説5作品

2021年も7月に入り、早くも半分が過ぎてしまいました。 今年は去年に引き続きコロナ禍によって、繰り返し緊急事態宣言が出される大変な年になったということで、旅行など遠出することもなく、休日はもっぱら自宅やスタバで読書して過ごすということが多…

星落ちて、なお 澤田瞳子 文藝春秋

つい先日、佐藤究さんの「テスカトリポカ」とともに直木賞をダブル受賞した作品です。 江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した天才絵師の河鍋暁斎の娘で明治大正期に活躍した女性絵師の河鍋暁翠(とよ) を主人公にした作品です。 河鍋暁斎の死後、偉大な…

白鳥とコウモリ 東野圭吾 幻冬舎

数々の作品がドラマや映画など映像化され、日本では知らない人がいないくらいの人気作家である東野圭吾さんの最新作です。 発売前から重版を重ね、各書店の売り上げランキングで一位を獲得し、東野さんの新たなる最高傑作とまで言われれば買わないわけにはい…

第165回芥川賞、直木賞発表

先日、7月14日に第165回芥川賞と直木賞が発表されました。 芥川賞には石沢麻衣さんの「貝に続く場所にて」と、李琴峰さんの「彼岸花が咲く島」が選ばれました。 また、直木賞には佐藤究さんの「テスカトリポカ」と澤田瞳子さんの「星落ちて、なお」の2作…

「たかが殺人じゃないか」辻真先 東京創元社

「このミステリーがすごい ! 2021年版」で1位になった作品です。 たかが殺人じゃないか終戦間もない、まだ戦災の跡が生々しく残る復興途上の昭和24年の名古屋を舞台にしたミステリー小説です。ミステリーの王道とも言える密室殺人のトリックや犯人のアリバイ…

2021年本屋大賞ノミネート作品 自分的に好きなランキング

先日、「八月の銀の雪」を読了して2021年本屋大賞ノミネート作品をすべて読み終わりました。 本屋大賞にノミネートされた10作をすべて読んだのは初めてのことなので、達成感を感じて自分としてもよくできたなと、ちょっと感動しています。 今年はコロナ…

「八月の銀の雪」 伊与原新 新潮社

2021年の本屋大賞にノミネートされ、6位になった作品です。また、直木賞、山本周五郎賞ノミネートされました。 八月の銀の雪 作者の伊与原新さんは、神戸大学理学部を卒業し、東京大学大学院理学研究科で地球惑星科学を専攻していたそうで、この作品もそ…

三省堂書店で本を買う

愛知県の緊急事態宣言が6月20日で解除されたので、本を買いに名古屋の大型書店に行ってみることにしました。 電車に乗るのは感染のリスクを考えて少し躊躇したのですが、ほかの人も考えは同じなのか、土曜日の午後にしては名鉄電車の車内はそれほどの込み具…

三省堂書店で本を買う

愛知県の緊急事態宣言が6月20日で解除されたので、本を買いに名古屋の大型書店に行ってみることにしました。 電車に乗るのは感染のリスクを考えて少し躊躇したのですが、ほかの人も考えは同じなのか、土曜日の午後にしては名鉄電車の車内はそれほどの込み具…

漫画も読みたい

僕が長く続けている唯一の趣味といえるものが読書で、年間100冊以上は読んでいるのですが、ほぼすべてが活字の本で、漫画はほとんど読んでいませんでした。 別に意識して漫画を避けてきたわけではありませんが、活字の本に興味が偏っていたことや、社会人…

2021年6月に読んだ小説

今年は5月16日に観測史上2番目の早さで梅雨入りした東海地方ですが、6月に入ってからは梅雨の中休みなのか雨が降る日も少なくて、休日はちょこちょこ近くには出かけていたのですが、やはりコロナ禍の緊急事態宣言発令中ということもあって大手を振って遠出す…

「今朝の春 みをつくし料理帖」 高田郁 ハルキ文庫

みをつくし料理帖は、何度もドラマ化、映画化された時代小説の傑作作品で、「今朝の春」はシリーズの4作目にあたります。 今朝の春 みをつくし料理帖 幼いころに大坂の水害で孤児となった澪(みお)は大坂随一の料理屋「天満一兆庵」の女将の芳(よし)に拾…

「オルタネート」 加藤シゲアキ  新潮社

ジャニーズ事務所所属のアイドルグループNEWSのメンバー、加藤シゲアキさんが執筆し、第164回直木賞の候補作となったり、2021年本屋大賞にノミネートされ、8位となったり、ついには第42回吉川英治文学新人賞を受賞し、今年2021年の前半に大きな…

「雄気堂々 下」城山三郎 新潮文庫

2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、渋沢栄一を主人公にした作品の後編です。今の埼玉県の一農民の子に過ぎず、薩長土肥といった藩閥にも属さず、幕末維新で何か功績があったわけでもない渋沢栄一が、なぜ明治の元勲と肩を並べる近代日本の偉大な指…

「小説8050」 林真理子 新潮社

8050問題(はちまるごーまるもんだい)とは、年金暮らしの80代の高齢の親が、50代の引きこもりの子供の面倒を見なければいけないということです。 若いころから何十年も引きこもり、社会で生きていく力を身に着けられないまま中高年になってしまった人…

「リボルバー」 原田マハ 幻冬舎

僕は今一番好きな作家は誰ですか?って聞かれたら原田マハさんと答えるくらい好きで、いずれはすべての作品を読破しようという野望を持っています。 原田さんの作品は冒頭の一行から物語の中に引き込まれるものが多くて、読みだすと一気に最後まで読みたくな…

「パリピ孔明 5」 原作:四葉タト 漫画:小川亮 講談社

三国志で有名な名軍師の諸葛孔明は、五丈原の戦いの最中に陣中で病死するが、なぜか現代の日本の東京、渋谷のど真ん中に転生する。そこで知り合った駆け出しの歌手、月見英子に才能を見いだし、彼女の軍師となって歌手の頂点を目指す❗という内容です。4巻で…